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ハノイ市に隣接する西北部地方ホアビン省キーソン郡フーミン村(xa phu Minh, huyen Ky Son)で発生した廃油違法投棄事件で、同省はこれまでに容疑者3人を逮捕した。
逮捕されたのは、リー・ディン・ブー容疑者(男・37歳、北部紅河デルタ地方バクニン省)、グエン・チュオン・ダイ容疑者(男・25歳、同)、ホアン・バン・タム容疑者(男・33歳、東北部地方ランソン省)の3人。
ダイ容疑者とタム容疑者は18日に逮捕され、ブー容疑者はしばらく逃走していたが、家族の説得により20日に自首して逮捕された。3人は刑事法第235条に触れたとされ、環境汚染を引き起こした容疑で捜査を受けている。同法で定められた量刑は、3か月~7年の禁固刑、5000万~30億VND(約23万3000~1400万円)の罰金となっている。
ブー容疑者は取り調べで、東北部地方フート省フート町(thi xa Phu Tho)にあるタインハー陶器(Gom Su Thanh Ha)に勤める「チャン」という女性から700万VND(約3万3000円)の報酬で廃油の投棄を頼まれたと供述している。
ブーの指示を受けて、ダイとタムの2人が6日にトラックを運転してバクニン省からフート省のタインハー陶器を訪れて約10m3の廃油を荷台に載せ、8日にソンダー水道[VCW](Viwasupco)の浄水場周辺で廃油を違法投棄したという。
タインハー陶器のグエン・ドゥック・チュエン会長は、「廃油はねずみ駆除などの目的に再利用できるため、当社から地元住民に分けることもある。問題の廃油は倉庫係が無断で売ったか提供したものとみられ、倉庫係に説明を求めている」とコメントした。
VCWは同省を流れるダー川(song Da)の水を用いて水道水を生産し、ハノイ市の25万世帯に水道水を独占的に供給している。今回の廃油違法投棄により、同市南西部の広域で10日から水道水が悪臭を放ち生活用水として利用できない状況が続いていた。同社は16日に断水して導管の洗浄作業を行い、水道水の供給を再開した。
ベトナム科学技術研究所(VAST)傘下の環境技術研究所が19日に実施した分析の結果、水道水中のスチレン濃度(廃油に含まれていたもの)がベトナム基準「QCVN 01:2009/BYT」で規定する許容濃度(20mg/L)を下回ったことが確認された。
ただし、当面は引き続き水道水を洗濯やシャワー、貯水槽の洗浄などの目的にのみ使用することとし、調理での使用や沸かして飲料水にするなどの摂取は控えるべきだとしている。同市当局は今後もしばらく水道水の分析を続けていく。