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グエン・スアン・フック首相は19日、ハノイ市ドンアイン郡ティエンズオン村にある養豚場を視察した。同郡はハノイ市の中で、アフリカ豚コレラ(ASF)により最も大きな被害を受けた地域の1つとなっている。
フック首相はその後、現場で農業農村開発省や同市人民委員会、同郡当局、養豚農家との会合に臨んだ。
同市人民委員会のグエン・ドゥック・チュン主席によると、同市では2月24日に最初のASF感染が確認されて以来、全市24区・郡の養豚農家約9400世帯でASFが発生しており、感染・殺処分された豚は同市で飼育されている豚(187万頭)の約8%にあたる14万7700頭に上るという。中でも、ドンアイン郡では被害が大きく、殺処分の割合が20%に達している。
また、グエン・スアン・クオン農業農村開発相は会合で、ASFはこれまでにベトナム全国34省・市で発生し、感染・殺処分された豚は全国で飼育されている豚の約5%にあたる150万頭に達したと報告した。
フック首相は報告を検討した上で、ASFが確認されていない地方も含めて農業農村開発機関の長が責任を持ってASFへの対策を強化するよう指導した。また、豚肉市場を安定させて国民の信頼を得るため、ASFに感染していない豚の消費を支援することの必要性を強調した。
なお、国内最大規模の豚の産地である東南部地方ドンナイ省当局はこれに先立つ18日、チャンボム郡ビンミン村にある食品会社の立ち入り検査を実施し、冷凍庫で保存されていた不審な豚肉4tを発見した。検査の結果、これらの豚はASFに感染していたことが分かった。豚肉は1片あたり重さ約8~10kgに解体された状態で、変色して悪臭を放っているものも含まれていた。
これを受けて、省は全省の冷凍倉庫の立ち入り検査を実施する方針を明らかにした。同省ではこれまでに3郡の5村でASFが発生し、感染・殺処分された豚は約1000頭に上っている。