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8月25日のお盆(旧暦7月15日)を控え、冥器を専門に製造するハノイ市トゥオンティン郡ズエンタイ村フックアム村落は、冥器を調達する流通業者で賑わっている。
ベトナムでは、お盆だけでなくテト(旧正月)や故人の命日などに紙製の冥器を捧げて供養する習慣がある。
以前は紙幣や紙製の衣服、履物などが主流だったが、近年では紙製の液晶テレビや洗濯機、磁気調理器などの家電製品、剃刀などの日用品、ジュエリーのほか、携帯電話などの「ハイテク機器」、高級スクーター、自動車、一軒家などがピンからキリまで登場し、人気を集めている。
中でも「おしん」と呼ばれる家庭のお手伝いさんまでもが紙製のお供え物となり、目玉商品となっている。一軒家、自動車、洗濯機、エアコン、衣服、紙幣、「おしん」を含めたセットは約1000万VND(約4万8000円)で販売されている。
一軒家の冥器にはもちろん「住宅所有証明書」が付いており、この「住宅所有証明書」に故人の氏名や生年月日、命日などを記入して燃やせば、「一軒家」はあの世の送り先まで届くという。
こうした中、ベトナム仏教協会は、冥器を捧げて供養する習慣は仏教の儀礼ではないとして、同協会傘下の仏教寺院における冥器の使用を禁止するほか、信徒に対して冥器を使用しないよう呼びかけている。