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メコンデルタ地方カントー市には、外国人男性とベトナム人女性との間に生まれ、父親に捨てられたハーフの子供たちが数多く住んでいるところがある。同市を流れるハウ川に浮かんだタンロック小島だ。
タンロック小島は、同市トットノット区タンロック街区に位置する。都市部ではあるものの、貧困層が多く、これまでに約1600人もの若い女性が紹介により韓国人や台湾人、中国人と結婚している。その大半は愛があっての結婚ではないため離婚に至るケースも少なくなく、多くの女性が子連れで帰国している。
海外で生まれたハーフの子供たちはベトナム国籍を有さず、外国人扱いとなっている。また、生まれた時から二重国籍の子供については18歳にならなければベトナム国籍を選べないというジレンマがある。
こうした子供たちは本来、ベトナム人向けの医療保険に加入できず、居住する地方の学区内の学校にも入れない状況だが、地方当局は、法律を逃れる形で、母方の祖父母や伯父・伯母夫婦などが実父母子として出生届けを提出することを黙認している。
母親の帰国後に生まれた子供たちについてはもちろんベトナム国籍を与えられるが、出生届けに父親の氏名は記載されない。更に、海外から必要な書類を取り寄せることができず、出生届けを提出できないままになっている子供も大勢いるという。