10月28日午前にベトナムでの修学旅行を終えて成田国際空港に帰国した私立向上高校(神奈川県伊勢原市)の生徒34人が嘔吐や下痢などの症状を訴えて千葉県内の病院へ搬送された問題で、神奈川県は2日、千葉県で検査した20人のうち15人からノロウイルスが検出されたことを明らかにした。
同県によると、平塚保健福祉事務所秦野センターで調査を行ったところ、10月31日までの間に症状を訴えた同校関係者は55人に増えたが、重症者はおらずいずれも回復に向かっているという。
体調不良を訴えた34人を含む生徒251人と教職員ら計264人は、24日から27日までベトナムに滞在。地元紙によると、最終日はホーチミン市内の5つ星ホテルで夕食をとった後に空港へ向かい、ベトナム時間28日午前0時35分発のベトナム航空(Vietnam Airlines=VNA)VN300便で帰路についたが、離陸直後から34人が機内で体調不良を訴えていた。
これを受けて、VNAは29日、機内食や同機の検査を経て同社のサービスが体調不良の原因ではないことが確認されたと発表している。
なお、機内で嘔吐した生徒がいるため、神奈川県は同便の搭乗者に対して発熱や嘔吐、下痢などの症状が出た場合は医療機関を受診するよう呼びかけている。
今回の問題について保健省傘下の食品安全局は、ホーチミン市保健局局長に対して、生徒らがベトナムで口にしたものの原産地や加工・保存施設などを検証するほか、食品のサンプルを採取し原因を明らかにするよう関連当局への指導を求めている。