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8月28日のお盆(旧暦7月15日)を間近に控え、お供え物の冥器の出荷が最盛期を迎えている。ベトナムの伝統的な生活、風物詩、社会風刺などを描いた「ドンホー版画」制作の伝統工芸地域として知られる紅河デルタ地方バクニン省トゥアンタイン郡ドンホー地域は、冥器の生産地でもある。ここ数日、同地域は紙製の冥器をぎっしりと積んで行き来するトラックで賑わっている。
冥器は、亡くなった人があの世で不自由しないようにお供えするもので、洋服や履物、スポーツ用品、キッチン用品などの日用品のほか、子供用の玩具、携帯電話、液晶テレビ、カメラ、高級スクーター、一軒家などピンからキリまで何でもあり、デザインも様々だ。
軍人や警察など、亡くなった人の就いていた職業に合わせて、戦車や銃、制帽、耕運機まで揃っている。更に、亡くなった人は足を失っていたのだろうか、膝から下までの「足」を冥器として注文した客もいる。
数年前から人気を博しているホンダの高級スクーター「SH」シリーズの冥器は、1台5万~7万VND(約274~385円)で販売されている。年々高まる需要を受けて、同地域の多くの世帯が裁断機を導入し、大量生産に対応している。裁断にかかる料金はデザインによって異なり、簡単なものは1kg当たり数百VND、複雑なものは1kg当たり2000VND(約11円)となっている。