ハノイ市クオックオアイ郡ゴックミー村の畑で10日、水利施設の工事中に発見された古い墓の発掘が行われ、住民ら数千人がその様子を見守った。発掘にはベトナム考古学協会のグエン・ラン・クオン博士の他、考古学研究所やハノイ博物館の研究者らが参加した。
棺桶は木製で、蓋を開けると中から香木の匂いが立ち上った。棺桶の内側は朱色に塗られていた。遺体は多くの布や紙に覆われており、これらを取り除くと、高齢女性と思われるミイラが現れた。身長は165センチで、長い髪の毛や歯が残っており、顔付きも分かる。副葬品はなかった。
クオン博士によると、今から300年ほど前の後黎(レ)朝時代の墓で、遺体は60歳ぐらいの女性のものと推定できるという。埋葬されていた人物については、ゾアン家15代目の当主ゾアン・マイン・ハー氏が、一族の祖先だと主張している。
ゾアン家の家譜(一族の系譜)によると、女性の名前はグエン・ティ・ザで、70歳で死亡したとされる。クオン博士は、遺体のDNAを調べればゾアン家の祖先かどうか判明する、と話している。