(C) vnexpress 放置された男児 写真の拡大. |
(C) vnexpress タクシー内に残された荷物 写真の拡大 |
2日午前1時30分ごろ、ホーチミン市8区1街区ケンサン橋付近で2歳くらいの男児がタクシー内に置き去りにされる事件が起きた。
タクシーの運転手によると、1日午後23時30分ごろ、7区チュンソン住宅街で男児を連れた1人の女性が乗車し、女性の要求に応じて4区トンダン通り150番地の路地まで走行した。走行中にその女性は「家族に連絡したい」と何度か運転手の携帯電話を借りたが、相手は電話に出ず、その間に何度も7区と4区の同じルートを往復するよう運転手に依頼したという。
約2時間、同ルートを往復した挙句、女性は8区1街区ケンサン橋付近へ向かうよう要求した。女性はようやくここで降車したが、「現金を忘れたので家族からお金を借りてくる」と言い残し、運転手に子供を預けて路地の奥へ姿を消した。1時間ほど経っても女性が戻って来なかったため、不審に思った運転手は男児を連れて同街区の警察へ届け出た。
警察の事情聴取に対して運転手は、「彼女は男児の叔母だと言っていた。身長155cmくらい、年齢は30歳くらい。髪の毛は肩までの長さで、鼻が高く細身でファッショナブルな女性だった。言葉には南部の訛りがあった」と語った。同街区警察は、誘拐などの事件性があると見て、タクシー運転手と協力し、くだんの女性の行方を追っている。
このことがマスコミで報じられると、20組以上の夫婦が男児を引き取りたいと申し出た。同街区人民委員会は、司法担当幹部に対して暫くの間は役所で男児の世話をするよう指示し、実の家族が引き取りにこなければ、規定に基づき労働省病兵社会当局の保護施設へ移管する方針だ。
なお、男児を引き取りたいと申し出た人の中に、男児の遠い親戚に当たるという50歳くらいの男性がいた。その男性によると、男児は妻の姪が生んだ子供で、男児の名前は「ボー」だという。男性は、「ボーちゃんの実母に経済的な余裕がなかったため、生まれてから最近までずっと私たち夫婦で面倒を見ていた。しかし先日私は2週間ほど入院しなければならなかったため、東南部バリア・ブンタウ省に住む父方の家族に世話をしてもらっていた。まさかこんな事態になるとは思いもよらなかった」と話した。
この男性は、戸籍謄本や出生届けなど男児との関係を証明する書類を提示できなかったため、引き取りも断られた。警察は、男児を置き去りにした女性の行方を追うと共に、自称親戚という男性による情報の真偽を明らかにすべく、引き続き捜査を進めている。