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- チン首相、UAE公式訪問で首脳会談
- ベトナムとUAE、93年に外交関係樹立
- ベトナムとUAE、包括的経済連携協定締結
アラブ首長国連邦(UAE)を公式訪問中のファム・ミン・チン首相は現地時間28日午前、ムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領と首脳会談を行った。首脳会談に先立ち、チン首相の歓迎式典が盛大に行われ、大砲21発が発射された。
ベトナムとUAEは1993年に外交関係を樹立した。ベトナムの首相がUAEを公式訪問するのは15年ぶりで、両国関係は政治や外交、貿易、投資、労働、観光など多くの分野で良好な発展を遂げてきた。
チン首相は会談で、UAEとの友好関係と多面的な協力を非常に重視しているとした。一方、ムハンマド大統領は、ベトナムはアジアにおける重要なパートナーであり、UAEはベトナムとの協力を主要事項としていると述べた。
双方はこれまでの協力関係の成果を踏まえ、今後の協力拡大に向けて、両国関係を包括的パートナーシップに格上げする共同宣言を採択した。これにより、ベトナムにとってUAEは、中東地域における初めての包括的パートナー国となった。
チン首相は同日午後、ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム副大統領 兼 首相との首脳会談に臨んだ。
チン首相はこの席で、ムハンマド首相の2007年のベトナム公式訪問が両国関係の促進に大きく貢献したとし、ベトナムの国内総生産(GDP)が同年から2024年までに約5倍の4800億USD(約73兆円)に膨らんだことを報告した。これに対し、ムハンマド首相は、ベトナムの成長を実際に目にしたいとし、早期の再訪を希望した。
双方は今後の協力の方向性について、◇ハイレベルを含むあらゆるレベルの訪問の強化と包括的パートナーシップを実施するための共同作業部会の発足、◇包括的経済連携協定(CEPA)の効果的な実施と自国で事業を展開する相手国の企業に対する便宜、◇デジタルトランスフォーメーション(DX)、グリーントランスフォーメーション(GX)、イノベーションの分野での協力強化、◇人的交流・文化・観光協力の促進と直行便の就航、◇多国間フォーラムにおける協力と相互支援の強化の5つの事項に焦点を当て、協力を拡大することで一致した。
会談の末、両首相の立ち会いのもと、ベトナムとUAEの間でCEPAが締結された。ベトナムがアラブの国とCEPAを締結したのはこれが初めて。両国は2023年6月に交渉を開始し、1年半足らずで締結に漕ぎつけた。これは、ベトナムが締結したCEPAの中で交渉期間が最も短い。
2023年における両国間の貿易額は前年比+6.8%増の47億USD(約7200億円)と順調に伸び、2024年9月時点におけるUAEの対ベトナム海外直接投資(FDI)認可額は7410万USD(約114億円)となっている。双方は近く、両国間の貿易額を100億USD(約1兆5300億円)に引き上げることを目指す。
なお、チン首相は27日から29日までUAEに滞在した。UAEの後は、カタールとサウジアラビアを歴訪する。