ベトナムを代表する作曲家である故チン・コン・ソン氏の妹チン・ビン・チンさんが、ソン氏の楽曲を1曲演奏するごとに著作権料として30万ドン(約1900円)を遺族に支払うよう要求する文書を音楽業界の関係者らに送付していたことが分かり、議論を呼んでいる。
文書は1カ月ほど前に送付された。要求の内容は、ベトナム知的所有権法が施行された2006年7月1日以降の演奏すべてを対象とし、氏の楽曲1曲を1回演奏するごとに30万ドンを請求するというもので、過去の演奏分に対する支払い期限を今月末とし、支払わない場合は弁護士が対応するとしている。
毎週のように歌謡ショーを開催しているライブハウスやホールでは、この通知を受け取って以降、ソン氏の楽曲使用をやめているところもある。ある店のオーナーは、これまで楽曲使用料の代わりに、ソン氏の命日に毎年1000万ドン(約6万円)を氏の家族宛てに送っていたが、1曲30万ドンではあまりに高過ぎる、とこぼしている。