ベトナムの首都ハノイは、2010年に建都1000周年を迎える。その記念事業の一環として、ハノイ人民委員会とベトナム社会科学院によって、「タンロン−ハノイの1000年(第1巻)(原題:1000nam Thang Long-Ha Noi[tap 1])」と「タンロン宮殿(原題:Hoang thanh Thang Long)」の2冊の本が編纂された。越英2カ国後併記で外国人読者も意識したものとなっている。
著者は各分野の一線の研究者・写真家らで、タンロン(現在のハノイ。今から1000年前の李朝時代に名付けられた)とハノイの歴史・文化・社会・経済・建築などについて詳しく記されている。また、タンロン遺跡(ハノイ市で2002年に発見された遺跡。歴代の王宮跡を重層的に残している)や遺跡発掘物の写真も注釈つきで多数掲載されており、読者が1000年前の都の姿を思い浮かべる助けとなっている。