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- 世帯収入3000万VNDの夫婦でも購入困難
- 60平米新築マンションは25~35億VND
- 手頃価格の住宅増と投機購入抑制が必要
最高所得層の夫婦でもハノイ市やホーチミン市などの大都市でマイホームを買うのは夢のまた夢であることが、ベトナム不動産仲介協会(VARS)が発表した不動産市場に関する最新レポートでわかった。
VARSが統計総局(GSO)の2023年における国民生活水準調査結果を引用して導き出した主要各地の最高所得層(人口の20%を占める最も収入が高いグループ)の1人当たり月収は以下の通り。
◇東南部地方ビンズオン省:1838万VND(約10万9000円)
◇ハノイ市:1447万VND(約8万6000円)
◇南中部沿岸地方ダナン市:1380万VND(8万2000円)
◇東南部地方ドンナイ省:1390万VND(約8万2000円)
◇ホーチミン市:1326万VND(約7万8000円)
各世帯に、最高所得層に属す労働年齢の者が2人(夫婦2人)いると仮定すると、1世帯の平均月収は約3000万VND(約17万8000円)と推定され、年収にすると約3億6000万VND(約213万円)となる。
ここでは、一般的な適正価格とされる住宅費は収入の3分の1以下とするルールを適用。ハノイ市とホーチミン市の新築マンション価格は、地区やレベルにより1m2当たり4000万~7000万VND(約23万7000~41万円)となっており、面積60m2のマンション価格は25億~35億VND(約1500万~2070万円)と試算される。
35億VNDのマンションを購入して、購入代金の70%を年8%の金利により20年ローンで銀行から借りた場合、毎月の支払い額は約2500万~2700万VND(約14万8000~16万円)。これだけでも家を買うことが現実的ではないことが理解できる。
VARSは、国民の住宅ニーズを解決するには、手頃な価格の住宅不足を解決するとともに、投機目的の購入を抑制する必要があると指摘した。