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- ベトナム当局が国内運用停止を警告
- テムがベトナム商工省に事業登録申請
- 未登録のまま10月からサービス開始
10月上旬にベトナムでサービスを開始したが、事業登録を行っていないと指摘されていた中国発の越境電子商取引(eコマース=EC)プラットフォーム「テム(Temu)」は24日、ベトナム当局からの警告を受け、商工省傘下の電子商取引・デジタル経済局(IDEA)にEC事業者としての登録書類を提出した。
これに先立ち商工省は、「テム」がベトナムの法律を遵守しなかった場合、情報通信省と協力して、10月中に同プラットフォームの国内運用を停止させると発表していた。
現行規定では、ベトナムのドメイン名を持つ、またはベトナム語を表示する、もしくはベトナムから年間10万件超の取引がある越境ECプラットフォームは、現地の事業登録を行わなければならないと規定されている。
「テム」は現在、ベトナム語版のウェブサイトとアプリを運営しており、ベトナム国内の利用者がベトナム語版のウェブサイトとアプリを使って中国から商品購入と代金支払いを行うことができる状態となっている。
商工省は国内消費者に対し、「テム」や「シーイン(SHEIN)」、「1688」などベトナムで事業登録を行っていない越境ECプラットフォームを利用しないよう呼び掛けている。
なお、「テム」は、中国のPDDホールディングス(拼多多=ピンドゥオドゥオ)が国外向けに運営するオンラインマーケットプレイスで、アパレルや化粧品、家電、家具、雑貨などを激安価格で販売している。2023年の取引額は140億USD(約2兆1600億円)に上った。
「テム」はソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に広告を掲載してキャンペーンを実施中で、ベトナム国内の消費者はテムを通じて、中国のサプライヤーから商品を直接購入し、4~7日以内に商品を受け取ることができる。