ホーチミン市7区に住むフン・クアン・オアインさん(46歳)は、水上人形劇の人形を作るようになって20年以上になる。自宅の前庭の20m2程のスペースがオアインさんの作業場だ。
(C) An Huy, Thanh Nien |
(C) An Huy, Thanh Nien, 人形に漆を塗るオアインさん(右)と息子(左) |
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オアインさんは旧ハタイ省(現ハノイ市)の農家に生まれ、幼いころから地元のお祭りなどで催される水上人形劇に慣れ親しんだ。そして、操者により楽し気に水面を駆け回るひょうきんな表情をした人形に魅了された。
その後オアインさんはハノイ絵画音楽短期大学に進学し彫刻を専攻。学生になっても水上人形劇に対する愛着は変わらず、オアインさんは友人2人と水上人形劇の人形制作で知られるハノイ市ザーラム郡やドンアイン郡、紅河デルタ地方ハイズオン省を訪れた。
ベトナムに長く伝わる伝統芸能でありながら発展のための取り組みが乏しく、職人の高齢化が進み後継者もいない現状を目の当たりにしたオアインさんたちは人形制作の道に進むことを決めた。
オアインさんたちは各地方の習慣や文化の特色を人形で表現するなどこれまでにない新しいスタイルの人形を制作した。人形は実際に劇場で使用され、高い評価を得た。