4日に行われた、ベトナムで最も美味しいコメを選出する2022年度の「ベトナム米コンクール」で不正があったとして、「ST24」や「ST25」などを開発し、コメ業界で数々の賞を受賞している農業エンジニアのホー・クアン・クア氏が強く抗議している。
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今回のコンテストには種苗メーカー6社が参加し、香り米8種ともち米4種が各部門で競い合った。審査の結果、香り米ではタイビン・シード社(Thaibinh Seed)の「TBR39」が1位、クア氏が経営するホークアンチー社(Ho Quang Tri)の「ST24」が2位となり、3位はロックチョイグループ[LTG](Loc Troi Group)のコメだった。
この結果をめぐり、クア氏は「TBR39」が「ST24」に酷似しているとして調査を求めた。これを受け、農業農村開発省傘下の作物生産局は「コンクールに出品された『TBR39』と『ST24』のサンプルは保管してあるため、ホークアンチー社の要請に応じてそれぞれのDNA鑑定を行う」とコメントした。
DNA鑑定で同一種だということが確認された場合、コンクールの結果は取り消される。同一種ではないことが確認された場合は、結果を維持するという。
ベトナム米「ST」はクア氏が20年以上にわたり改良を続けながら開発しているもので、日本にも輸出されている。
一方、「TBR39」は2019年から農業農村開発省の承認のもとで公式に試験栽培(オフィシャルテスティング)が行われ、北部と南部の一部の省・市で栽培され、2022年年初に商品化された。