ベトナムとカンボジアの両国当局は8月26日から9月1日にかけて、カンボジアのカジノで強制労働させられていたベトナム人89人を協力して救出し、帰国を手配した。外務省が明らかにした。
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在シアヌークビル・ベトナム総領事館は8月26日までにベトナム人63人を救出。南部メコンデルタ地方キエンザン省のハティエン国境警備隊と協力し、29日に63人全員を帰国させた。
さらに、在プノンペン・ベトナム大使館は9月1日、南部メコンデルタ地方アンザン省の国境検問所を介して別の26人を帰国させた。この中には、カンボジアのカンダル州カオ・トム郡サンペウ・ポウン村(Sampeou Poun, Kaoh Thum district)にあるカジノ「リッチワールド(Rich World)」(旧称:キンサー=Kinh Sa)に取り残されていた11人も含まれる。
これに先立つ8月18日、このカジノで働かされていた約40人のベトナム人が集団脱走し、南部メコンデルタ地方アンザン省とカンボジア・カンダル州の境を流れるビンジー(Binh Di)川を泳いで渡り、命からがら帰国。棒のようなものを持った警備員らに追われながら、必死に逃げるベトナム人らの逃走劇を捉えた映像がインターネットに投稿されて、大きな話題となっていた。
なお、年初からこれまでにカンボジアから救出されたベトナム人の数は600人以上となっている。これらのベトナム人らは、「高級で簡単な仕事」を紹介されてカンボジアに不法入国し、その後、犯罪組織に売り飛ばされるという人身売買被害に遭ったとみられている。