ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)と格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)の航空チケット販売ウェブサイトを装い、乗客から金銭を騙し取っていた2つのウェブサイトがハッキングされ、ダウンした。
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ウェブサイトをダウンさせたのは、米国のウェブサイトをハッキングして約2億人の個人情報を盗み、米国で有罪判決を言い渡されたことのあるベトナム人ハッカーのゴ・ミン・ヒエウ氏(ニックネーム:Hieupc、男性・31歳、南中部高原地方ザライ省出身)だ。
ヒエウ氏は現在、ベトナム情報通信省傘下の情報安全局国家サイバーセキュリティセンター(National Cyber Security Center=NCSC)の専門家として採用され、インターネット環境における国民と企業の情報セキュリティを確保するための技術とソリューションの研究開発事業に参画している。
ヒエウ氏は2つのウェブサイトをハッキングした方法についてインターネットで共有し、「今後も詐欺サイトを撲滅していく」と書き込んだ。これまでに多くの人々が偽のウェブサイトを通じて金銭を騙し取られたことが分かっている。
ヒエウ氏はニュージーランドの大学に留学したが、インターネットを使った詐欺事件に関与し、退学。2007年から2013年にかけてベトナム国内のコンピューターで米国の複数のウェブサイトをハッキングし、米国人約2億人の個人情報を盗んで犯罪グループに売りさばいていた。
2013年に米国のシークレットエージェントから「商談」を持ち掛けられてグアム島に誘導され、逮捕された。2015年に裁判を受け、禁固13年の有罪判決を言い渡された。約7年間にわたり米国で服役した後に恩赦を受け、帰国を果たした。
なお、ベトナム航空のウェブサイトを装った偽サイトは他にも複数存在している。同社の公式サイトのURLは<vietnamairlines.com>だが、「a」「s」「i」など文字を1つ追加した紛らわしいドメインで利用者を騙している。同社は利用者に対し、チケット購入前にURLをよく確認するよう呼び掛けている。