世界自然保護基金(WWF)は19日、2016年に確認された新種の動植物に関する報告を公表し、ベトナムを含むメコン川流域の大メコン圏で115種の新種が確認されたことが分かった。このうち、ベトナムで確認されたのは65種となっている。
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報告によると、ベトナム・カンボジア・ラオス・ミャンマー・タイで両生類11種、魚類2種、爬虫類11種、植物88種、哺乳類3種が新たに確認された。
今回の報告で特に注目に値するのは、ベトナム北部および中国南部の淡水や常緑樹の森林に生息するベトナムワニトカゲ(学名:Shinisaurus crocodilurus vietnamensis)。個体数は国内に200と推定され、絶滅が危惧されており、同種の研究チームのリーダーであるトーマス・ジグラー博士はベトナムワニトカゲを主人公にした絵本を作成して保護を訴えている。
ベトナム北部の川では2種類のモグラ(学名:Euroscaptor orlovi, Euroscaptor kuznetsovi)が発見され、インドシナ地域における哺乳類の進化についてより深い研究に繋がるとされている。また、タイとラオスの山林で発見された、顔が馬の蹄鉄の形をしているコウモリ(学名:Rhinolophus monticolus)は新種であることを確認するのに10年を要した。
また、カタツムリを食べる新種のカメは川や森といった自然の中ではなく、タイ北部の市場で売られているところを発見されたという。売主は市場近くの運河でカメを獲ったと言い、研究チームが研究のため買い取った。このほかベトナム北部の石灰岩の山では新種のカエル4種、カンボジアでは白黒の縞模様をしたドジョウなども見つかっている。
WWFは1997年から毎年、ベトナム・ラオス・カンボジア・タイ・ミャンマー及び中国の雲南省・広西チワン族自治区からなる大メコン圏で確認された新種の動植物に関する報告書を公開しており、1997年以降に確認された新種の動植物は今回の115種を合わせて2524種となった。