ベトナム中部の町、ホイアン。長年の雨風により世界文化遺産にも登録されているこの街の家屋の老朽化が進んでいる。そのうちのいくつかは今にも倒壊しそうなものもある。
2年前からクアンナム省人民委員会によって、倒壊の恐れがある家屋の修復作業が行われてはいるが、その進捗率はいまだ半分にすら到達していない。老朽化した家屋を修繕する場合、国がその費用の一部を補助してくれるのだが、家屋の大部分は個人所有であるため、残りの費用すら出せない家も多い。
また、家を売って、ホイアンの郊外や中部の都市ダナンへと移り住みたいという声もある。ホイアンの家屋は古いとはいえ、それを売り払えば、別の土地へと移って家を建てるのに十分なお金になるのだ。このまま行くと、ホイアンの古い町並みは消えてしまうのだろうか――そんな危機感のもと、ホイアンの街並み、人々の生活を守るため、家屋修繕のための基金設立案がこのほど、クアンナム省に提出された。