最近ティーンの間で人気上昇中のアーティスト、キム（Kim）は、弱冠15歳にして作詞・作曲もこなすベトナム人ラッパーだ。彼女は、イギリス人ラップアーティストAkalaのハノイでのライブで共演したり、有名歌手ミー・リンのステージに参加したりしている。

　ベトナム語で「8x」、「9x」とも呼ばれる1980年代、90年代生まれの若い世代は、自分を表現したいという欲求が強い。キムもまた、「自分を表現できて、本当のことを題材にした」曲作りを心がけているという。『わたしはみんなが思ってるような子なんかじゃない・・・わたしが何を考えてるか、何が欲しいかなんてどうして分かるの？』という内容の彼女の詞は、10代の若者たちの気持ちを代弁しているのかもしれない。

　彼女はまた、ヒップホップの曲を作る際は、例えば学校での暴力といった自分の周りで起きている社会問題にも関心を向けなくてはならない、と語る。そして「自分の歌詞の内容が検閲で禁止されて、変更しないと許可をもらえないのは納得がいかないわ」ときっぱりと主張した。