【第53回】ベトナム人がコロナ収束後にやりたいことは?

2021/06/24 09:45 JST配信

ホーチミン市では現在まさに新型コロナの影響で、飲食店などが閉店を余儀なくされ、ソーシャルディスタンスやリモートワークが推奨され、外出する機会が減少し、自宅で過ごす時間が増えています。そのような中、ベトナム消費者はどのようなことに時間を費やし、またコロナ収束後にはどのようなことをしたいと考えているのか、2021年6月に実施した直近のアンケート結果から考えていきたいと思います(サンプル数:969名)。

コロナ禍で時間を費やすようになったことは?

コロナの中、より増えている活動としては「料理」「動画閲覧」「オンライン学習」などが挙げられます。料理については、外食機会が限られることで、 Grab FoodNowBAEMIN などの フードデリバリーの利用が増えている一方、経済的な観点から自炊機会が増えています 。そういった中、 Cookycookpad などの料理サイトも人気を集めているようです。また、動画閲覧については、 YouTube が圧倒的な人気を集める一方で、10代には Tik Tok などの人気も定着し、20代・30代女性の間では Netflix のような有料オンライン動画サービスの人気も高まっています。

性別毎にデータを見ると、 男性は「ゲーム」「動画閲覧」 などにより時間を費やしているのに対し、 女性は「オンラインショッピング」や「ソーシャルメディア」 などの利用時間が増えている傾向があります。特に「オンラインショッピング」においては、 今まで敬遠されていた食品や生活用品などの日用品のオンライン購入が増え 、オンラインで購入する商品のカテゴリー幅が一気に広まっています。

それでは、コロナが収束した後にやりたいことはどのようなことでしょうか。

アフターコロナにやりたいことは?

人気が高いのは「友人との外出」「買い物」「外食」 など、とにかく日常行っていた生活を取り戻したいという傾向が見てとれます。それ以外でも 「故郷を訪問する」という項目が高い のは、家族の絆の強いベトナム独特の特長と言えます。移動の自由が制限される中、故郷の家族・親戚に会いたいという需要は特に年配層で多く見られます。

年代別の違いの現れ

年代別に見てみると、10代の若者はとにかく「友人・知人と外出」したいという要望が多く、20代になってくると、そこに「買い物」「外食」などの具体的な活動が伴ってきます。30代以上で特に人気が高まっているのは「旅行」で、国内・海外を問わず1年以上制限されてきた旅行の楽しさを味わいたいという潜在的な需要の高さが現れています。

6月より発生したコロナ第4波の前までは、ベトナムの消費市場は強く回復傾向にあり、小売市場なども前年比2桁増の水準まで戻ってきていました。一方で、コロナ禍によって例えばフードデリバリーであったり、リモートワークに伴うビデオ会議であったりといった今までにないデジタルの力を借りたサービスが標準化してきています。コロナによってベトナムの商習慣のデジタル化も加速している点を実感せざるにはいられません。

著者紹介
株式会社Asia Plus代表取締役社長 黒川賢吾

株式会社Asia Plus ( www.asia-plus.net )代表取締役社長。
NTT、ソニー、ユニクロにて海外マーケティングを担当。
2014年にAsia Plusを設立しベトナムマーケットリサーチサービス
「Q&Me( www.qandme.net )」を展開中


統計から見るベトナム
その他の記事はこちら>
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

新着ニュース一覧

◆高い入居率の理由は会社を作らずに進出できること  UNIKA VIE-PAN(ユニカビーパン)はホーチミン市の...
 米国によるベトナムへの46%の相互関税が発表されて以降、ベトナムに生産拠点を置く韓国企業は対応に追...
 ベトナム人民軍およびベトナム人民公安に所属する経験豊富な消防士や医療従事者から成る救助隊は、1週...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ベトナム商工連盟(VCCI)は6日、VCCIと在ベトナム米国商工会議所(AmCham)が連名で5日に米国の商務長官宛...
 ハノイ市の北西約50kmに位置する北部紅河デルタ地方ビンフック省ビントゥオン郡ビンソン村は、「ヘビ養...
 韓国の化学素材大手SKCの子会社で、半導体テストソリューションを提供するISCはこのほど、北部紅河デル...
 ベトナムIT最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)グループの日本法人FP
 統計総局(GSO)の発表によると、2025年3月の外国人訪問者数(推定値)は前月比+8.5%増の205万4309人で、...
 統計総局(GSO)の発表によると、2025年3月の小売売上高(推定値)は前月比で+1.7%増、前年同月比では+10....
 統計総局(GSO)の発表によると、2025年3月の鉱工業生産指数(IIP)の伸び率は前月比で+12.0%増、前年同月...
 ドナルド・トランプ米大統領が発表したベトナムに対する「相互関税」について、トー・ラム書記長は4日...
 在ベトナムヨーロッパ商工会議所(ユーロチャム)がベトナムに進出している欧州企業を対象に実施した2025...
 統計総局(GSO)によると、2025年1~3月期の失業率は若干低下し、労働者の平均月収は大きく改善したとい...
 文化スポーツ観光省は、南部解放・南北統一50周年(1975年4月30日~2025年4月30日)記念の広告ロゴを発表...
 地元紙「トゥオイチェー(Tuoi Tre)」によると、ハノイ市ホアンキエム区ディンティエンホアン(Dinh Tien...
トップページに戻る