ベトナムへ入国する際、パスポートの有効期間が6か月以上残っていなければ入国することができません。もうすぐ日本へ一時帰国、とパスポートの有効期限を確認してみたら、もうすぐ6か月を切りそう･･･一時帰国中に手続きする時間もない･･･そんなときは、ベトナムの日本大使館または総領事館で発給申請すれば大丈夫。今回は、ベトナムでの 一般旅券（5年または10年）の発給申請方法 について紹介します。

どこで申請するの？

申請人が南中部高原地方ダクラク（Đắk Lắk）省・フーイエン（Phú Yên）省以南に住んでいる場合は 在ホーチミン日本国総領事館、北中部沿岸地方ハティン（Hà Tĩnh）省以北に住んでいる場合はハノイ市にある在ベトナム日本国大使館で申請してください。また北中部地方クアンビン（Quảng Bình）省から南中部高原地方ザーライ（Gia Lai）省・南中部沿岸地方ビンディン（Bình Định）省までにお住まいの方は在ダナン日本国総領事館で申請が可能です。申請はオンラインでもできますので、その場合はパスポート原本をそれぞれの大使館、総領事館で受け取るということになります。

どうすれば申請できるの？

パスポートの発給は、◇有効期限が1年未満となった場合、◇旧タイプ旅券からIC旅券に変更したい場合、◇査証欄の余白がなくなった場合、◇現地で出生した子の初めての旅券申請の場合、◇氏名や本籍地など戸籍上の身分事項に変更が生じた場合、◇パスポートを紛失したまたは盗まれた場合などに申請することができます。

ちなみに「有効期限が1年未満となった場合」ですが、こちらは特別な理由（労働許可書、レジデンスカード更新など）があれば、事情説明書兼確認書を提出することにより有効期限が1年未満前であっても更新を受け付けてくれます。

申請書類と写真について

以下からはオンライン申請ではない場合の更新申請についてご案内します。必要な書類は以下の通りです。

（1） 有効期限の残っている現在のパスポート（原本）

（2） 一般旅券発給申請書 ：1部　

（3） 写真 ：1葉（6か月以内に撮影したもの、縦4.5cm×横3.5cm、パスポート申請用写真の規格に沿ったもの）

（4） 戸籍謄本（抄本） ：1通（6か月以内に発給されたもの、ただし前回パスポートの発給を受けたときと氏名や本籍地に変更がなければ不要）

「一般旅券発給申請書」は、こちらのウェブサイトから入手できます。

（1）～（4）の書類のほか、申請理由やケースによっては、「外国語の名前の綴りが確認できる公文書原本」（非ヘボン式ローマ字で表記する場合、二重国籍の子の別名を併記する場合、外国人配偶者の姓の別名を併記する場合など）、「代理人の旅券原本または写真付身分証明書原本」（代理人を通じて申請する場合）、「帰国航空券またはその予約証」（ベトナムに居住しておらず、パスポートを紛失した、または盗まれた場合）などの書類が追加で必要になります。

尚、オンライン申請を選択する場合は事前に在留届の提出や専用のアプリをダウンロードする必要があります。日本国内でのオンライン申請と日本国外からのオンライン申請は若干違いがありますので、ベトナム国内からのオンライン申請を利用する場合はこちらからご確認ください。

証明写真は、たいていどこの写真屋さんでも撮影・現像してもらえます。ただしベトナムの写真屋さんは、少しでも見た目をよくしようとPhotoshopでかなり修正します。Tシャツを着て行ってもネクタイやスーツを合成してくれたり、ホクロまで消してくれることも･･･。パスポートに使用する写真であることを伝えておけば、普通は修正しませんが、写真を受け取る際に修正されて見た目が変わってしまっていないかどうか、チェックしたほうがよいでしょう。

写真屋さんによっては撮影データをUSBなどにコピーしてくれる場合もありますし、一定期間店でデータを保管しておき、客が整理番号を提示すれば必要なときに現像してくれるところもありますので、とても便利です。もちろん自分が持っている顔写真のデータを持ち込んでプリントしてもらうこともできます。

申請するとき

必要書類を揃えて、大使館または領事館へ。申請するときは代理人でも大丈夫ですが、交付を受けるときは本人が出向かなければなりません。特にお子様が更新の場合などは申請を代理人がすることが多いようなのでご注意ください。

書類に問題がなく申請が受理されれば、その場で旅券受領引換証が渡されます。旅券受領引換証には、手数料や交付日などが書かれており、交付のときに必ず必要となりますので大切に保管しましょう。

所要日数は申請から3業務日、つまり申請日を除いて3日後 、となります。ただ申請が2025年3月24日以降はパスポートが新しいタイプに変更されることから、所要日数が1カ月程度に延びると大使館が告知しています。詳細はこちらよりご確認ください。

交付を受けるとき

旅券受領引換証を提示して手数料を窓口で支払います。手数料は、有効期間10年のもので276万VNDとなっています(2025年1月現在）。新しいパスポートの内容をよく確認し、間違いがなければ手続き完了です。

在ホーチミン日本国領事館で交付を受けると、「発行官庁/Authority」のところに「Consulate General of Japan in Ho Chi Minh City」(在ホーチミン日本国総領事館)と記されます。

新しいパスポートを手にしたら、 在留届のパスポート番号も変更しておきましょう。

在留届に関する記事はこちら→ 「在留届の出し方～住所が決まったらまずやろう～」

パスポート番号の変更に伴う諸手続き

パスポートが新しくなると、パスポート番号も新しくなります。つまり、パスポート番号にひもづく労働許可書や一時滞在許可書（テンポラリーレジデンスカード）、ビザなどに記載されているパスポート番号も変更しなければなりません。自分の住んでいる地域の公安に届け出ているパスポート番号（居住登録）の変更も忘れずに行いましょう。

労働許可書の変更手続きについては、古いパスポートと新しいパスポート、写真（新しいパスポートと同じものがベスト）などが必要です。写真の枚数やサイズ、その他に必要な書類などは省・市によって異なりますので、必ず当局に確認しましょう。なお、ベトナムの証明書等に使用する写真は白無地背景でなければなりません。自分で用意する場合は白無地背景で撮影を。

このように海外でパスポートを更新した場合、様々な機関へ新しいパスポート番号の申請をする必要があります。いつどのタイミングでその機会に遭遇するか分かりませんので、更新後もしばらくは古いパスポートを手元に保管しておいた方が無難です。またパスポートの更新は有効期限ぎりぎりになってあわてることのないよう、余裕を持って手続きするようにしましょう。