21日、中部トゥアティエン・フエ省沖の海域でトゥアティエン・フエ省の漁船団と南中部ビンディン省の漁船団との間でトラブルが発生、逃亡、追跡、暴力、拉致(らち)とさながらアクション映画を思わせる事件に発展した。この事件で3人が重傷を負い、トゥアティエン・フエ省側の漁師5人がビンディン省側に拉致される事態となった。
この事件の発端は、21日午前6時ごろトゥアティエン・フエ省側(以下、ト側)の漁船3隻が仕掛けた網とビンディン省側(以下、ビ側)漁船2隻が仕掛けた網が絡まったことに始まる。ビ側漁船がト側の網を切ったため、ト側漁船が網の弁償を求めて近付いたところ、ビ側漁船はこれを無視して逃走、ト側漁船は追跡を開始した。
追跡開始から約2時間後、両者の船が衝突し、ビ側の船2隻のうち1隻が沈没してしまった。このため、ビ側は周辺海域で操業中の仲間の漁船20隻に応援を呼びかけた。それから約6時間後、ト側の船3隻はビ側の船に取り囲まれ、ト側の18人の船員は殴る蹴るの激しい暴行を加えられた。このうち3人は瀕死状態となったため、1 隻の船を使って病院へ行くことを許されたが、残る15人と船2隻は引き続きビ側の監視下に置かれた。
その後、SOSを受信した軍の船が現れたため、ビ側は船員10人と船2隻を解放したが、残る5人を人質として拉致したまま逃走した。現在、各関係機関が事態の解決に向けて協議している。