ホーチミン市から24キロメートルほど砂埃の舞う国道13号線を北上すると、ビンズオン省にヴィン・チュオン村にたどり着く。同村は現在、韓越共同制作ドラマ『ゴーガイの匂い』のロケが行われており、現在、毎日50名を越える韓国人とベトナム人撮影スタッフで賑わう。
このドラマは1人のベトナム人女性が、ベトナムの食文化を世界に広げるため、様々な困難を乗り越えていくというサクセスストーリーで、100回シリーズ、2006年7月頃からの放送を目指している。現地ロケによるリアルさが売りで、数日前に撮影された7分間だけの広告撮影でも、藁葺きの家を実際に丸ごと1軒燃やすくらいの力の入れようだ。とはいえ、韓国人監督ハン・チュル・スー氏によると、「貧しい家でも垣根のセットは作るし、台所のシーンを撮る時は、簡素ながらもきちんと整頓された台所を写しこむ。ぼろぼろの服も使わない」ようこだわっているとのこと。撮影現場は、韓国語とベトナム語が賑やかに飛び交い、2人の通訳は引っ張りだこだ。
現在、韓国ドラマはベトナムで絶大な人気を誇っているが、今回の共同制作が、今後のベトナム映画界の発展に貢献するのは確実だ。