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南中部沿岸地方カインホア省ニャチャン市の「バオダイ・リゾート・ニャチャン(Bao Dai resort Nha Trang)」の投資主はこのほど、当局の要求に応じて敷地内にあるバオダイ帝ヴィラ遺跡群を無条件で返還することを決めた。
ニャチャン湾を見下ろすチュット山にあるバオダイ帝ヴィラ遺跡群は、1923年にフランス人によって建設された5棟のフランス式ヴィラから成る。当初は海洋学者のための宿泊施設として使用されていた。その後、ベトナム最後の皇帝であるバオダイ帝が別荘として使用するために2棟を譲り受け、同地区は以降、バオダイ帝ヴィラと呼ばれるようになった。
ニャチャンのバオダイ帝ヴィラは1995年10月に、文化史跡・名勝として認定された。2013年8月には、当時のカインホア省人民委員会主席が観光不動産案件「バオダイ・リゾート・ニャチャン」を展開するためとして、バオダイ帝ヴィラ遺跡群の所在地を含む計13.6haの土地をハド不動産グループ[HDG](Ha Do Group)傘下のカインハー投資(Khanh Ha Investment)に割り当てた。同グループは、前身が国防省傘下の不動産・建設企業で当局と太いパイプがある。
同社はヴィラ5棟を改修してホテルとし、用地内にレストランやコンベンションセンター、マリーナ、5階建てホテル(客室:108室)、36棟の販売用ヴィラを新たに建設する予定だった。
しかし、同案件の実施に当たって複数の違反が発覚したため、2017年から工事が停止。カインハー投資は、ヴィラ5棟の返還および案件の計画図の調整に伴い、工事の再開を認めるよう管轄当局に要請している。
なお、同省文化スポーツ観光局は、同社から遺跡群の引き渡しを受けた後、改修・管理計画案を策定する方針。