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この成功を受けて、トゥエンさんは2021年半ばに生産を拡大した。現在、工場では10~12人の地元民の雇用を創出しており、労働者の収入は1日あたり20万~24万VND(約1180~1400円)となっている。工場はまた、ボウルや皿、食品トレーなどのビンロウの葉鞘で作った製品を毎月平均50万点ほど市場に供給している。
ビンロウの葉鞘でできた製品の価格は1点あたり1000~4000VND(約5.9~23.5円)で、再利用が可能だ。環境に優しい点が特に好まれ、トゥアンさんの製品はこれまでに、オランダ、米国、韓国、カナダ、日本の5か国に輸出されており、工場の売上高は毎年20億VND(約1180万円)以上に上っている。
トゥエンさんが現在直面している困難は、ビンロウの葉鞘で作った製品のベトナム国内の市場は、発泡スチロールやプラスチックの製品との価格差により、依然としてかなり厳しい状況にあるということだ。
こうした中、最近、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で、トゥエンさんのビンロウの葉鞘でできた弁当容器が突然注目されるようになった。そのためトゥエンさんは、今後はビンロウの葉鞘で作った弁当容器を国内市場の主力商品とし、価格も消費者が手に取りやすい最低レベルまで何とか下げるつもりだ。
トゥエンさんは、今後も生産者がビンロウの木の根っこから先端まですべてを売り物にできるよう、ビンロウの木の他の部分についても価値を高めるべく研究を続けていくという。
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