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チーさんは離婚してからというもの、仕事でたくさん苦労をしてきたたため、今や怖いものはほとんどないという。それでもときには弱気になり、運転中に涙が込み上げてくることもある。どうしてこんなに大変な仕事を選んでしまったのだろうと考えてしまうときもあるが、答えを探す前に涙を拭い、気を取り直して他の楽しみについて考えることにしている。
長距離や深夜の運転では、ほんの1秒の不注意が同乗者や自分自身の身を危険にさらしかねない。そのためチーさんは常にネガティブな考えをしないようにしている。
多くの外国人観光客がベトナムに旅行に訪れる繁忙期は休みなく仕事に出かけるため、チーさんの2人の子どもは田舎で祖父母と一緒に暮らしている。それでもチーさんは、少なくとも月に1度は田舎に帰り、子どもたちと過ごす時間を作っている。
チーさんは色々なところに行ったことがあり、観光地や美味しいお店もたくさん知っているが、自分の子どもたちをゆっくりと連れて行ったことはまだない。夏休みに、観光客の団体のバスに子どもたちを乗せたことがあるだけだ。チーさんは、自分はまだ若く健康なのだから、今はもっと頑張って働かなければと自分を励ましている。
「子どもたちは食べ盛りですし、バスを買うために銀行から借りたローンもまだ完済していないので、仕事に集中するほかに選択肢はありません。バスと同じで、出発したら必ずどこかに到着します。より楽しく、より良い人生を送りたい。だから、仕事をすることと笑顔でいることで、日々の楽しみを集めていきたいと思っています」と、チーさんは語った。