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養鶏場のニワトリのヒナ(ヒヨコ)の性別を鑑別する需要が日に日に高まっているが、総排出腔(直腸・排尿口・生殖口を兼ねる器官)で雌と雄を見分けられる人材がごくわずかしかいないため、この仕事は常に人手不足だ。
ハノイ市ホアイドゥック郡ドゥックザン村在住のチン・ティ・メンさん(女性)は、まだ外が暗いうちに家を出て、早朝5時から恒温室で仕事を始める。
メンさんの仕事場である恒温室は、住宅街から畑に向かって約500mのところにある。近付くほどにひっきりなしの機械音やヒヨコの鳴き声が大きく聞こえてきて、ヒヨコ特有のにおいが漂ってくる。
恒温室に入ると、メンさんの「仕事机」が左側に整然と置かれている。手元には明るい電気スタンドとヒヨコの糞を入れるプラスチックの容器が、机の周りには合わせて1万羽ものヒヨコが入ったトレイがたくさん置いてある。
メンさんは服を着替え、マスクと帽子を身に着けると、総排出腔を目視してヒヨコの性別を分け始める。メンさんの鑑別は熟練が必要な総排出腔による肛門鑑別法で、肛門をわずかに開けて体内にある生殖器官を目視し、雌雄の違いを区別している。
まず、左手でヒヨコを持ち上げ、腹部をそっと押して糞をプラスチック容器に入れる。そして右手で肛門を軽く押し開けて総排出腔を露出し、両目で見て雌か雄かを鑑別する。1羽の鑑別はほんの数秒で終わる。
「もし雄鶏であれば、総排出腔に針のような小さな突起があります。もし雌鶏であれば平らです。鑑別したら、雄鶏は右に、雌鶏は左に分けておきます。言うのは簡単ですが、正しく見分けられるようになるまでに私は5か月かかりました。技術を習得するための受講料は3000万VND(約14万円)以上でした」とメンさんは語る。