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「学校に通って役人になれば、雇われ労働者として働くこともなく、他の人を助けることもできます」。サーさんの母親は少数民族寄宿学校の12年生(高校3年生)のときに、中退を余儀なくされた。また、同い年の友人たちをみると、子供が2~3人いたりする。しかし、サーさんは早い時期に恋愛関係になっても将来に有益でないとの考えから、これまでに誰かを好きになったことがない。
大学の入学試験に合格し、サーさんはスンクア地区の中で首都の大学に通う唯一の人となった。住民はいずれも皆モン族で、キン族のベトナム語は流ちょうに話せない。両親や住民たちからは、サーさんが学校に通うのはイコール役人になるためだと理解されている。
「村の副主席は他の人をよく助け、皆から好かれています。両親も、役人になれば副主席のような人になれると考えていて、皆からも喜ばれています」とサーさんは語る。
ハノイ市の学校に通い始めて1年目、サーさんは生活費を稼ぐため、ポーターからペンキ塗りまであらゆる仕事をした。運転免許証を取得すると、実家の唯一の牛を売ってバイクを購入し、ハノイ市で配車アプリのバイクタクシー運転手を始めた。
午前は学校に行き、午後はバイクタクシー運転手をし、学費は免除され、サーさんは自分で生計を立てられるようになった。ハノイ市で学校に通う3年間、一度も両親に仕送りを頼んだことはない。
4Gに繋がる小屋の話に戻ると、サーさんは何度も調査を行い、ようやく近隣の村から飛んでくる4G電波が拾える場所を見つけることができた。サーさんはそのトウモロコシ畑の持ち主の自宅へ行き、小屋を建てたいと頼んだ。
「(小屋を建てても)トウモロコシは抜きません。小屋の下で育つようにします」と約束し、畑の持ち主が同意すると、サーさんは30万VND(約1400円)でワイヤーやネジ、ビニールシートなどを購入した。