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こうした動きは、大手競合と比べてマーケティング費用が少ない小規模の化粧品会社にとって、画期的なチャンスとなっている。また、大手の化粧品会社も積極的にソーシャルメディアを活用するようになっている。動画を制作するビデオブロガーたちの評価によって、商品の良し悪しを知ることができる点もメリットだ。
ソーシャルメディアの活用に不慣れな会社に対して、イプシーは彼らの商品が消費者の手に渡り、正しい使用方法をアドバイスできるよう橋渡しの役割も担う。代わりに、これらの化粧品会社はイプシーのグラムバッグに無料で商品を提供している。そしてイプシーは、商品を使用した顧客からの反応を各ブランドに詳細にフィードバックしている。
しかしながら、イプシーにも困難がないわけではない。消費者はオンライン上のメイク講座を見た後に、それでも普通の店舗で商品を買うことがある。専門家によると、イプシーやバーチボックスなどの化粧品のオンラインサービスを利用する人は、18歳以上の世代の女性の5%に満たないという。こうした中、イプシーは、米国でイベントを開催するなどして顧客コミュニティの拡大に注力している。
「イプシーがニューヨークで開催したイベントには、850人のビデオブロガーと3000人の顧客が150USD(約1万5500円)の入場券を購入し、参加してくれました。更に、多数の化粧品ブランドの参加もありました」とイプシーCEOのキャンベロスさんは教えてくれた。
キャンベロスさんはファンさんについて、「イプシーの魂」だと話す。経営業が多忙であってもファンさんは毎週、自らビデオに登場する。彼女はイプシーの理念を体現する大きな存在なのだ。ファンさんは、「新しく登場する媒体もあれば、次第に消えていくものもあります。でもコンテンツは永遠です。お客様がどこに行っても、私はお客様の行く先に行きます」と語った。