(C) infonet |
最後の勤務を終えたドアン大佐は、そのまま若い同僚に業務を引き継ぎ、皆との別れに堪え切れず零れた涙を拭った。「これまでの長い間、雨の日も暑い日もここで市民のために交通整理ができたことを誇りに思います。毎日の仕事は本当に楽しく、幸せでした。退職したら、きっとこの仕事が恋しくなるでしょう。」
同僚のファム・ザー・ホップ少尉は、ドアン大佐のことを親しみを込めて「先生」と呼んでいる。ホップ少尉は「ドアン先生と一緒に仕事をするようになって半年近く。私にとって先生は、父親であり、この仕事の心の支えでもあります。先生はどんな困難な仕事にも立ち向かう心意気のある人です。先生が退職されるなんて、何かが欠けたような、言葉にできない気持ちでいっぱいです」と残念そうに話した。
今後のことについてドアン大佐は、「妻も子供たちも私の仕事をいつも応援してくれていたので、私は本当に幸運でした。定年退職して、明日からどうなるかは分かりませんが、家族のために時間を捧げて、良い暮らしができるよう頑張りたいです」と語った。ドアン大佐には2人の子供がおり、息子はドアン大佐と同じく警察官、娘はハノイ市貿易大学の4年生だ。ドアン大佐の妻ももうすぐ定年退職。2歳になる孫もいる。これからは夫婦2人で、これまで以上に子供や孫たちのそばでたくさんの時間を過ごしていきたいという。
なお、ドアン大佐は2012年に首都ハノイ市名誉市民の称号を付与されたほか、2013年には首相から表彰状を、2014年には国家主席から勲章を授与されている。