ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

ベトナム初の神戸牛飼育、畑違いの男たちの挑戦

2014/07/13 08:32 JST配信
(C) Tuoi Tre
(C) Tuoi Tre 写真の拡大
(C) Tuoi Tre
(C) Tuoi Tre 写真の拡大

 また、神戸牛の血を受け継いだ牛を日本のやり方の見よう見真似で育てれば、美味しいビーフに仕上がるというわけではない。世界各国では、米国から神戸牛の子牛を輸入して、日本の神戸牛飼育で行われているように手塩にかけて飼育しているが、日本産神戸ビーフの肉質には到底及ばないのが現状だ。

 神戸牛ベトナムでは、牧場の建設から飼料の生産、飼育法にいたるまで全てについて日本の飼育技術者が関与している。また、日本の技術者は年に4回ベトナムに足を運び、飼育過程や牛の成長速度をチェックし、ベトナム人飼育者たちに飼育法を伝授している。

 牛舎の牛たちは年齢順に並べられ、体格や性別に合わせて個別に餌が与えられる。そして最も重要なのは、出荷直前の過程だ。音楽を聞かせ、ビールを飲ませて、マッサージをするというのは有名な話だが、牛を太らせるために夜通し餌を与えるなど日本の生産者しか知らない様々な「秘訣」があり、この最終過程が肉質の決め手になるという。

 日本は過去に神戸牛の輸出を禁止していたが、海外で肉質の悪い偽装神戸牛が広まったため、神戸ビーフのブランド力低下を懸念して、2012年より輸出を解禁した。一方、ベトナムでは今年4月から、日本産牛肉の輸入が許可されている。だが、厳格な日本の基準により育てられた神戸牛は世界で最も美味しいものの、価格も極めて高い。神戸牛ベトナムのグエン・チ・ドゥック・ブー社長は、「日本で神戸ビーフは1キロ当たり170ドル(約1万7000円)程度で売られている。ベトナムで育てて1キロ当たり100ドル(約1万0100円)で販売すれば、牛1頭当たりの売上高は数十億ドン(10億ドン=約480万円)に上る可能性があると」期待している。

 同社は会社設立から約6年の月日を経て、ようやく来年3月末頃にもF1神戸ビーフの国内販売に漕ぎ着ける見込みだ。また、引き続きF2やF3の繁殖を行うだけでなく、各畜産農家も取り込んだモデルを展開する計画だという。繁殖や飼育で重要な最初の4か月と最終段階は神戸牛ベトナムが担当し、2年ほどの飼育については農家に委託する。地域農家と一体になった神戸牛飼育モデルを構築することで、地域の活性化にも役立つことが期待されている。

前へ   1   2   次へ
[Tran Manh, Tuoi Tre, 10/07/2014 07:47 (GMT + 7) S].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
ベトナム、タイとカンボジアの停戦合意を歓迎 (16:14)

 タイとカンボジアの国境地帯で軍事衝突が続く中、両国国防相が27日に国境検問所で会談し、停戦合意に関する共同声明に署名した。これを受け、ベトナム外務省のファム・トゥー・ハン報道官は同日開かれた定例記...

ラオカイ省:ボランティア団体を乗せたバスが横転、18人が死傷 (15:58)

 西北部地方ラオカイ省を走る国道174号線で27日朝、ボランティア団体を乗せた小型バスが横転する事故が発生した。この事故で、これまでに9人の死亡が確認されている。  バスは早朝にハノイ市を出発し、ボラ...

ベトナム、新たに2種類の優遇ビザ導入 高度人材受け入れ強化 (15:12)

 ベトナムにおける外国人の出入国・経由・居住法を含む治安・秩序に関する10本の法律の一部を改正・補足する法律(2026年7月1日施行)により、外国人の入国・滞在を対象とする新たな2種類の査証(ビザ)が導入される...

ホーチミンのベンタイン市場で半世紀以上愛されるチェー店 (28日)

 チュオン・ティ・トゥエット・チンさん(女性・63歳)は、7~8歳のころからホーチミン市のベンタイン市場で母親のチェー(ベトナム風ぜんざい)の屋台を手伝っていた。そして、50年以上にわたり市場に身を置き、母...

世界で最も普及しているメッセージングサービス、Zaloが9位 (14:57)

 インターネット動向分析プラットフォーム「Cloudflare Radar」はこのほど、2025年の世界で最も普及しているメッセージングサービスのトップ10を発表した。同ランキングで、地場総合インターネットメディア運営大手

クアンガイ省:ズンクアット経済区でディーゼル油流出、魚大量死 (14:20)

 南中部地方クアンガイ省バントゥオン村(xa Van Tuong)にあるズンクアット経済区でディーゼル油の流出事故が発生した。この事故により、魚など水生生物の大量死が発生し、河川や養殖場が深刻な汚染を受けた。 ...

ビンEVタクシー、アプリ「MoMo」と決済・配車連携で提携 (13:42)

 地場コングロマリットビングループ[VIC](Vingroup)傘下のビンファスト(VinFast)製電気自動車(EV)・電動バイクを利用したレンタカー・タクシー会社で、配車サービス「サインSM」を展

ホーチミン市交通運輸大学、鉄道シミュレーター導入 国内の大学初 (13:10)

 交通運輸省傘下のホーチミン市交通運輸大学(UTH)はこのほど、鉄道シミュレーターを導入した。これは、高速鉄道の制御・運行をコンピューターシミュレーションでトレーニングする設備で、国内の大学では初の導入...

外国船舶の国内海上輸送、26年2月から規制強化 (13:07)

 ベトナム政府は、国内海上輸送に対する管理を強化し、外国船舶の参入を必要最小限に抑える方針を打ち出した。これを受け、建設省は通達第41号/2025/TT-BXDを公布し、外国船舶に対する国内海上輸送許可の権限、...

MILIZE、音声AI技術の地場ナミテックと戦略的提携を締結 (12:14)

 人工知能(AI)とフィンテックの株式会社MILIZE(東京都港区)は、ベトナムを拠点とする音声AI技術のイノベーターであるナミテック(NamiTech、ホーチミン市)との間で、日本の保険業界および銀行・金融サービス・保...

ホーチミン市のFDI流入が大幅増、25年は83.7億USD (6:18)

 旧ホーチミン市、旧ビンズオン省、旧バリア・ブンタウ省の3省・市が合併して誕生した新ホーチミン市では、2025年の海外直接投資(FDI)認可額が前年比+24.2%増の83億7000万USD(約1兆3000億円)へと大幅に増加する...

ビンG、南北高速鉄道プロジェクト投資撤退 重点分野に資源集中 (6:10)

 不動産開発を中核とする民間複合企業ビングループ[VIC](Vingroup)は25日、南北高速鉄道プロジェクトへの投資登録を撤回する文書を政府に提出した。  VIC傘下のビン

ベトナム在留邦人1万6636人で国別15位、前年比▲4.4%減 (5:33)

 日本の外務省が発表した海外在留邦人数調査統計の最新版によると、2025年10月1日時点におけるベトナム在留邦人数は前年比▲4.4%減の1万6636人で、国・地域別で15位となった。2025年のベトナム在留邦人数は、直...

「GiGOのたい焼き」、海外初出店 ホーチミンにグランドオープン (5:07)

 アミューズメント施設や飲食店施設の企画・運営を手掛ける株式会社GENDA GiGO Entertainment(東京都港区)の海外現地法人であるGiGOベトナム(GiGO VIETNAM、ホーチミン市)は25日、秋葉原や池袋などの日本国内で...

ホーチミン:新暦正月の花火、実施場所を市内6か所に拡大 (4:58)

 ホーチミン市人民委員会はこのほど、2026年の新暦正月を祝う打ち上げ花火について、市内6か所で実施することを明らかにした。上空の高い位置と上空の低い位置で、それぞれ3か所ずつ花火を打ち上げる計画だ。 ...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved