(C) nhandan, グエン・リー・フオン 写真の拡大 |
2013年10月半ば、中国の南寧市で開催された国際フルートコンクールで、23歳の音大生グエン・リー・フオンがグランプリの座に輝いた。オーケストラ団員や大学教員など経験豊富な78人のライバルを抑えてのグランプリは、ベトナムのクラシック音楽界に衝撃をもたらした。グランプリ獲得までの道程には過酷な練習の日々があったという。今回彼女にインタビューを行い、準備期間や南寧での日々について語ってもらった。
―非常に難しいソナタやコンチェルトを含む5つの課題曲をたった3週間で練習しなくてはならなかったそうですが、どのようにして練習したのですか?
「通常の国際コンクールでは遅くても半年前には課題曲が発表されます。今回はなぜだか分かりませんがとても急で、果たして間に合うのか心配でした。でも、フルートのコンクールはそう多くないので、次のチャンスがいつあるかも分かりません。両親や先生も背中を押してくれて、参加を決めました。参加が決まってからの3週間はひたすら練習に明け暮れました。毎日10時間~12時間くらい練習して、指はパンパンに腫れ上がりましたが、毎晩漢方薬を溶かしたお湯で指をほぐし、滋養強壮剤を飲んで気合を入れました」
―南寧でのコンクールの日々はどのようなものでしたか?
「他の参加者が強豪揃いでしたので、自分が賞をとれるとは思っていませんでした。コンクールの時、私はその場にいることに陶酔していて、恐れも何も感じなかったのだと思います。それでも、ステージに上がると、審査員の先生方が僅かなミスも逃すまいと息を潜めて待ち構えているのを感じました。このような国際コンクールではたった一つのミスが全てを台無しにしてしまうのです」