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ハインさんの逆転の発想はこれに留まらない。北中部トゥアティエン・フエ省フエ市は、9月頃から翌年の旧正月(テト)頃まで長い雨季の季節となり、毎年観光客が激減する。しかし彼女にとっては、雨に煙るポエティックで静かなフエと屋内での地元民との交流事業は立派な観光資源だ。このアイデアは、今年のフエフェスティバルが雨季の10月に開催されることで実現しそうだ。
また、「暗がりの中で音楽を聴きながら食事をするホテル」というアイデアも、フエ市のフオンザンホテルで試験的に行われる予定になっている。彼女はさらに、ごみ、塩、砂などを海岸地域の観光資源にできないかと考えている。
ハインさんは建築大学を卒業後、教員として大学に残った。1995年に観光計画の策定に参加した時、自分は観光事業に向いていると思ったという。その後「持続可能な観光開発のために科学連盟(STDe)」を設立した。彼女がSTDeと共に提出するアイデアは尽きないが、運営資金は不足しているという。ただ、着実に「風車」を築きつつあるようだ。