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[特集]

洪水も雨も観光資源、アイデア尽きない女性建築家

2012/04/01 08:22 JST更新

(C)Tien phong
(C)Tien phong
 女性建築家のグエン・トゥー・ハインさんが南中部クアンナム省ホイアン市を出張で訪れたのは、あいにく洪水の季節だった。2階の部屋から外を眺めると、1~2メートルも水に浸かったホイアンの町並みが、奇妙にも美しく感じられた。  ハインさんが地元の人に尋ねてみると、外国人観光客もホイアンがまるで水上の都市にように見えるこの時期の観光を好んでいるという。彼女は「これを観光ツアーの目玉として売り出せるのではないかと」と直感した。  彼女は洪水のホイアンを経験した時、「嵐が来た時に壁を作る人と風車を作る人がいる」という中国のことわざを思い出した。洪水は確かに生活には不便だが、そこから別の価値を創造できるのではないか。洪水は、古い家屋の2~3階や屋根の建築をじっくり鑑賞するチャンスになると思った。ハインさんのアイデアは、同市共産党委員会の支持を受けて、船、水や食糧、救助隊などの準備を整えて洪水時期の観光客を待っている。

 ハインさんの逆転の発想はこれに留まらない。北中部トゥアティエン・フエ省フエ市は、9月頃から翌年の旧正月(テト)頃まで長い雨季の季節となり、毎年観光客が激減する。しかし彼女にとっては、雨に煙るポエティックで静かなフエと屋内での地元民との交流事業は立派な観光資源だ。このアイデアは、今年のフエフェスティバルが雨季の10月に開催されることで実現しそうだ。  また、「暗がりの中で音楽を聴きながら食事をするホテル」というアイデアも、フエ市のフオンザンホテルで試験的に行われる予定になっている。彼女はさらに、ごみ、塩、砂などを海岸地域の観光資源にできないかと考えている。  ハインさんは建築大学を卒業後、教員として大学に残った。1995年に観光計画の策定に参加した時、自分は観光事業に向いていると思ったという。その後「持続可能な観光開発のために科学連盟(STDe)」を設立した。彼女がSTDeと共に提出するアイデアは尽きないが、運営資金は不足しているという。ただ、着実に「風車」を築きつつあるようだ。  

[Tien phong online, 10:00 | 22/03/2012, O]
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