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- 台風と熱帯低気圧による被害が拡大
- 死者・行方不明者、カオバン省が最多33人
- 4万8337軒の民家の屋根が飛ぶなどの被害
一時は「猛烈な勢力」にまで発達し、7日から8日にかけてベトナム北部で猛威を振るった台風3号(アジア名:ヤギ、日本では台風11号)は、8日に熱帯低気圧に変わったが、台風と熱帯低気圧による被害が拡大している。
農業農村開発省傘下の堤防管理・自然災害防止局の統計によると、10日午前6時の時点で、台風の被害を受けた9省・市における死者・行方不明者は104人(うち死者65人、行方不明者39人)、負傷者は752人に増えた。
死者・行方不明者の内訳は、◇東北部地方カオバン省:33人(死者17人、行方不明者16人)、◇西北部地方ラオカイ省:30人(死者19人、行方不明者11人)、◇東北部地方クアンニン省:9人(死者9人)など。
物的被害としては、4万8337軒の民家の屋根が飛ぶなどの被害が出ている。また、田んぼ14万8632ha、畑2万6186ha、果樹園1万1038haが冠水し、水産養殖ケージ1577基が流され、家畜1111頭、家禽68万0243羽が濁水に呑み込まれた。さらに、500kV送電線12区間、220kV送電線36区間、110kV送電線173区間が寸断され、電柱5305本が倒れるなどして各地で停電も発生した。
ファム・ミン・チン首相は被害克服に向けて国家予算を拠出し、影響を受けた地方に支援金を支給することを決定した。なお、東北部地方クアンニン省と北部紅河デルタ地方ハイフォン市は、地方予算で被害克服を行うとして、国家予算から拠出する支援金は自然災害に苦しむ他の地域に譲る意向だ。
なお、首相は、台風の影響を直接受けなかった省・市の住民や企業などに対し、積極的な被災地支援を呼びかけている。ハノイ市も台風の影響を受けたが、同市ベトナム祖国戦線委員長は首相の呼びかけに応じ、影響を受けた11省・市に510億VND(約2億9700万円)の支援金を支給することを決定した。