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ベトナムの海には「ゴールド(金)より価値がある」浮袋を持つと言われている魚がいる。ベトナム語で「カースーバン(Ca su vang)」、学名では「Otolithoides biauritus」という魚で、スズキ目ニベ科の一種とされている。
主な生息地域は、インドやインドネシア、スリランカ、中国、ベトナム。特徴は、体全体がサフラン色で、広い口と長い下あご、強力な歯、長い背びれを持つ。淡水、汽水、海水のどこでも生息でき、環境に応じて頭と背中が灰色または青色になる。
ベトナム国内では北部から南部まで広く分布している。北部のホン川(紅河)ではかつて1日当たり20~30t収穫できたが、乱獲で現在は生息数が少なくなっている。人工の環境下では養殖できないこともあって、価値が高まっている。
2017年には1kg当たり1500万~3000万VND(約9万1500~18万3000円)で取引されていた。成長した魚は長さ1m、重さ100kg以上になる。
最も価値があるのは浮袋で、なんと1kg当たり4万5000~5万5000USD(約660万~800万円)になる。40~50kgの魚から約1kgの浮袋がとれる。そのため1匹で数十億VND(10億VND=約610万円)の値が付くことは、当たり前と言われている。