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ホーチミン市で5月下旬に「オート・インベストメント・グループ(Auto Investment Group)」という会社が設立され、登録資本金が500兆VND(約2兆3923億4450万円)にも達していることが大きな話題になっている。
オート・インベストメント・グループの社長 兼 最高経営責任者(CEO)は、同市トゥードゥック市フオックビン街区在住のN・V・Q・A氏(男性・35歳)。A氏は5月20日から28日までのわずか約1週間に4社もの会社を設立し、中でもオート・インベストメント・グループの登録資本金が最も高かった。
オート・インベストメント・グループの登録資本金のうち、A氏が499兆9980億VND(約2兆3923億3490万円)を出資し、その他創立株主2人がそれぞれ10億VND(約480万円)を出資するという。
オート・インベストメント・グループの登録資本金がペトロベトナムグループ(PVN)やベトナム電力グループ(EVN)など、国内トップの国営グループの資本金を大きく上回るほか、オフィスがホーチミン市1区のビテクスコ・フィナンシャルタワー(Bitexco Financial Tower)内のバーチャルオフィスとなっているため、詐欺や不正など事件性があるのではないかとして、同社の設立を懐疑的に見る声が多くあがっている。
この問題をめぐり、ホーチミン市計画投資局は計画投資省、公安省、およびホーチミン市警察に通報し、オート・インベストメント・グループをはじめとするA氏関連の企業を監視対象として出資の払い込みなどを監視する構えを示している。
現行規定では、創立株主は企業設立から90日以内に出資金を払い込まなければならないと規定されている。期限までに払込済資本金が登録資本金に達しなかった場合、企業は行政処分として1000万~2000万VND(約4万8000~9万6000円)の罰金を科されるほか、資本金を更新する手続きを行わなければならない。
しかし、出資金の払い込みなど企業設立後の動向について当局の監視が行き届いていないため、一部の企業が財務能力を高く見せるために資本金を詐称しているのが現状だ。