ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

増え続けるごみ、各地で埋立地が閉鎖―汚水流出も

2019/01/28 06:07 JST配信
(C) vnexpress.net
(C) vnexpress.net 写真の拡大.

 南中部沿岸地方ダナン市や北中部地方トゥアティエン・フエ省フエ市のごみ処理場は既に処理能力を超え、東北部地方クアンニン省ハロン市のごみ処理場は深刻な汚染により閉鎖するなど、全国各地でごみ処理場が危機に直面している。

 100万人超の人口を抱えるダナン市は、毎日900~1000tの生活ごみが排出される。1日当たりの排出量は2025年には1800tに増加すると予測されている。

 同市では、30年程にわたり生活ごみはカインソン埋立処分場へ集積されてきた。しかし既に同埋立処分場も受け入れ能力を超えている。埋立処分場の周辺では約1700世帯がごみから発生する悪臭が漂う中で生活している。耐えきれなくなった住民らが埋立処分場へ通ずる道路を封鎖し、収集車の進入を阻止する事態も度々起き、住民と自治体の対話が何回も行われてきたが依然として解決策は見つかっていない。

 ダナン市は、カインソン埋立処分場周辺の環境汚染は規定に違反したごみ処理が原因であることを認めた上で、暫定的な対処策として埋立処分場から出る汚水(浸出水)を1日700m3処理できる汚水処理区の設置、360度の防犯カメラの設置、埋立面積の2000m2への縮小、1日2回の覆土を打ち出している。

 2018年末に同市建設局は、2019年~2020年までにごみ収集の時点で、◇建設、◇リサイクル可能、◇有害廃棄物、◇その他に分別し、2023年~2025年までにごみを5つのグループに分別することを提議した。また、カインソン埋立処分場にトラブルが発生した場合に備えて、2~3日間に排出されるごみに対応するためごみ転送ステーションを2~3か所設置するべきともしている。

 フエ市で最大規模の面積を誇るフオントゥイごみ埋立処分場(4ha)には、同市とフオントゥイ町で排出されるごみが毎日350t集積され、このうち150tは近隣に位置するタムシンギアごみ処理施設で処理されてきた。しかし直近2か月は、タムシンギア処理施設が処理能力1000tの焼却炉を建設中のため未処理のごみが山積みになっているとして、ごみの受け入れを停止している。

 これに加えて、フエ市ではロックトゥイごみ埋立処分場が閉鎖したことも影響し、フオントゥイごみ埋立処分場に集積されるごみが急増しており、2年後には処理能力を超えると予測されている。これを受けてトゥアティエン・フエ省は、ごみ処理業者に対して、フオントゥイ町フーソン村に1日の処理能力400tのごみ焼却施設を建設することを許可した。この施設は2020年までに稼働を開始する見通しだ。

 ハロン市のデオセンごみ埋立処分場とハーカウごみ埋立処分場は、汚染が原因で閉鎖した。デオセンごみ埋立処分場は2006年に稼働を開始したが、10年にわたりごみが埋め立てられた6.8haの敷地から近隣の住宅や田畑へ汚水が流出し、住民は終日マスクを着用せざるを得ないほど汚染が深刻となっていた。2013年には住民らが自治体に対してごみ埋立処分場の閉鎖を訴え、同市はごみ処理方法を埋め立てから焼却へ移行した。

 ハノイ市では、ソックソン郡にあるナムソンごみ処理場の悪臭に耐えかねた住民らが、ごみ収集車が進入する道路を封鎖して抗議する事件が相次いだことを受けて、同市は3兆4000億VND(約157億円)を投じて約1000世帯の住居を半径500m圏内の別の場所に移転させる方針だ。

 ごみの処理方法としては埋め立てと焼却(発電)、熱分解(ガス化)があるが、ベトナムではごみの分別がされていないため、これらの技術の適用が難しい状況にある。一方で、埋め立ては埋立地の面積確保や水・大気・土壌の汚染が深刻な問題となっており、早急な解決が求められている。

[vnexpress.net 15:03 17/1/2019, T].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
ベトナム、初の国際基準音楽チャートを発表 (10:23)

 国際レコード産業連盟(IFPI)はホーチミン市で23日夜、「ジ・オフィシャル・ベトナム・チャート(The Official Vietnam Chart)」を発表し、2024年に最も人気のあるアーティストおよび楽曲トップ10を表彰した。 ...

ドンナイ省:陶芸・熱気球フェスティバル開催、4月27日~30日 (9:46)

 東南部地方ドンナイ省文化スポーツ観光局は、南部解放・南北統一50周年を記念して、4月27日(日)から30日(水)まで、「陶芸・熱気球フェスティバル」を開催する。  ドンナイ陶芸協会によると、ドンナイ省ビエ...

GiGO、次世代型テーマパーク「リトルプラネット」ベトナム初出店 (25日)

 アミューズメント施設や飲食店施設の企画・運営を手掛ける株式会社GENDA GiGO Entertainment(東京都港区)の海外現地法人であるGiGOベトナム(GiGO VIETNAM、ホーチミン市)は4月27日、ホーチミン市直轄トゥードゥ...

配車アプリ運転手の労働組合長として活躍する「U70」女性 (20日)

 ボー・ティ・トゥー・スオンさん(女性・68歳)は、南中部沿岸地方ダナン市の中心部で、シンガポール系配車アプリ大手グラブ(Grab)のバイクタクシーの運転手をしている。彼女は労働組合関係者の間ではよく知られ...

ベトジェットエア、ホーチミン~名古屋/福岡線を運航開始 (25日)

 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は、ホーチミン市と日本の愛知県および福岡県を結ぶ国際線を就航した。  同社は24日にホーチミン~名古

韓国のベトナム人滞在者32万人、留学生が10万人超で国籍別トップ (25日)

 韓国法務省出入国・外国人政策本部はこのほど、「出入国・外国人政策統計月報」を発表した。  2025年3月末時点で韓国に在留する外国人は272万2108人で、前年比+4.9%増加した。内訳を見ると、90日以上滞在...

ベトナム航空、ナローボディ機50機購入でベトコムバンクと覚書 (25日)

 ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)は23日、ベトコムバンク[VCB](Vietcombank)との間で、ナ

H&M子会社、ビンディン省にポリエステル繊維リサイクル工場建設へ (25日)

 スウェーデンの繊維リサイクル企業SYREは23日、ファム・ミン・チン首相との会談で、南中部沿岸地方ビンディン省にポリエステル繊維のリサイクル工場を建設する計画を発表した。SYREは、エイチ・アンド・エム・...

ベトナムと米国、経済・貿易協議を開始 (25日)

 グエン・ホン・ジエン商工相は23日、米通商代表部(USTR)のジェミソン・グリア代表と電話会談を行い、ベトナムと米国の両国間の経済・貿易問題に関する正式な協議を開始した。この会談には、政府交渉団のメンバ...

ベトテル、ホーチミンで大規模データセンター着工 (25日)

 ベトナム軍隊工業通信グループ(ベトテル=Viettel)は23日、ホーチミン市クチ郡のタンフーチュン工業団地で「ハイテク研究開発・データセンター」を着工した。完成後は、東南アジアでトップ10に入る規模となる見...

THEアジア大学ランキング2025、ベトナムから9校がランクイン (25日)

 英国のタイムズ紙(The Times)が発行する高等教育情報誌「タイムズ・ハイアー・エデュケーション(The Times Higher Education=THE)」が発表した「THEアジア大学ランキング(THE Asia University Rankings)」2025...

外国人向け電子身分証明アカウント、7月1日発行開始 (25日)

 公安省傘下の国民データセンター副所長であるチャン・ズイ・ヒエン少佐は、22日に開催された電子身分証明アカウント「VNeID」に関する座談会で、外国人向けのVNeIDアカウントを7月1日から発行開始する方針を明...

ホーチミン:メトロ1号線、連休は運行時間を23時まで延長 (25日)

 ホーチミン市メトロ1号線(ベンタイン~スオイティエン間)は、4月30日(南部解放記念日)と5月1日(メーデー)に伴う連休について、今年は南部解放・南北統一50周年にあたり特に多くの利用が見込まれることから、運...

ホーチミン:南北統一50周年パレード、市内のLEDモニターで生中継 (25日)

 南部解放・南北統一50周年(1975年4月30日~2025年4月30日)を祝う記念事業の一環として、ホーチミン市1区で4月30日(水)に開催される軍事パレードの準備が粛々と進んでいる。直接パレードを観るほかに、中心部の...

オカムラ食品工業、ベトナムで海外卸売事業を開始へ (25日)

 サーモンの養殖や水産品の加工・販売を手掛ける株式会社オカムラ食品工業(青森県青森市)は、連結子会社であるオカムラ・トレーディング・ベトナム(Okamura Trading Vietnam、ホーチミン市)で、ベトナムにおける...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved