紅河デルタ地方タイビン省人民裁判所は、不当な有罪判決を受けたルオン・ゴック・フィーさん(男性・68歳、同省タイビン市クアンチュン街区在住)に230億VND(約1億0400万円)の賠償金を支払った。1件の訴訟による損害賠償として過去最高額となる。
フィーさんはホアビン農水産物加工輸出会社(Cong ty khai thac che bien nong hai san xuat khau Hoa Binh)の社長。同省裁判所は1999年、国の資産の横領及び脱税の罪に問われていたフィーさんに禁固17年の判決を言い渡した。
しかし2001年に誤判が判明し、フィーさんは3年間にわたる服役後に釈放された。同省裁判所は公の場でフィーさんに謝罪したが、2010年になってようやく6億VND(約270万円)の賠償金を支払った。フィーさんはこれを不服とし、更なる賠償を求めてタイビン市人民裁判所に対し同省裁判所を提訴した。
タイビン市人民裁判所は2013年、同省裁判所に対しフィーさんに賠償金214億VND(約9700万円)を支払うよう命じ、2015年に金額を230億VND(約1億0400万円)に引き上げた。賠償金は国家予算から拠出された。これを巡り、不当訴訟を起こした個人の資産を没収して賠償に当てるべきとする意見が多く挙がっているが、これに関する法律が未整備な状況だ。