(C)nguoiduatin, 客引きをするレストラン「トゥイリン」のスタッフ |
ゲイやレズビアンなどLGBT(※)に対する偏見が強いベトナムだが、欧米文化の浸透に伴いLGBTの人権への認識が高まってきている。最近都市部では、LGBTを対象としたサービスがこれまでよりも公に行われるようになってきた。グオイドゥアティンが報じた。
ホーチミン市で最もよく知られているLGBTをターゲットとした店は、海鮮料理レストラン「トゥイリン」だろう。利用者が好奇な視線に晒されることなく、アットホームな雰囲気を楽しめるよう、店員にはLGBTのみを採用し、人気を集めている。
3区ホーコンルア地域にあるカフェ「パパ」もLGBTの集合でよく使われる場所だ。夜になると小さなステージが設けられ、客が好きなように歌えるミニコンサートが開催される。「パパ」をよく利用するメイクアップアーティストのフオン・フオックさん(男性・29歳)は、「ここでは素直になれるし、本当の自分でいられる。共感してくれる友達と楽しい時間を過ごし、一緒に笑う。それで、前向きな気持ちになれるんだ」と語った。
ベトナムの現行規定ではLGBTの同性同士の結婚、両者の財産や子供などの権利と義務は一切認められていない。近年LGBTの正当な権利の保護を促す運動が進んでおり、それを支持する当局関係者もいるが、全体的に見れば反対の意見が圧倒的に多いため、LGBTの権利が認められる日はまだ当分先のことになるだろう。
(※)LGBTとは、女性同性愛者(レズビアン=Lesbian)、男性同性愛者(ゲイ=Gay)、両性愛者(バイセクシュアル=Bisexual)、性転換者(トランスジェンダー=Transgender)、異性装同性愛者などの人々を総称する略語。