メコンデルタ地方ビンロン省では、中国人がサツマイモの買い付けに走るだけではなく、農地を借りて栽培し中国や第三国に輸出する事態が進行している。7日付ベトナムネットが報じた。
同省のビンタン郡とビンミン郡では、毎月合計約1万tのサツマイモを中国に輸出している。両郡にはサツマイモを中国向けに輸出するための拠点が、少なくとも10か所以上存在する。国境貿易による輸出が主で、中国側にルートを持たないベトナム人が輸出しようとしても国境で安く買い叩かれてしまうという。
ビンミン郡トゥアンアン村では、中国人が0.1ヘクタール当たり400万~500万ドン(約1万6000~2万円)で農地を借りサツマイモを栽培している。同じ面積で稲を栽培する場合の利益は300万ドン(約1万2000円)を超えることはないため、農民らは喜んで農地を貸している。同郡人民委員会によると、表に名前が出ないので中国人に貸している農地面積の正確な統計はないという。
国連食糧農業機関(FAO)によると、世界のサツマイモ生産量は年間約1億2700万tで、うち中国は1億tを超える最大の生産国。しかし中国で収穫できるのは8~10月で、この期間以外はベトナムを含む各国から輸入しているとされる。