ホーチミン市タンフー区在住のレ・ティ・ティエンさんはこのほど、子供2人が栄養不良状態になったのは消費期限内にある不良品の粉ミルクを飲んだことが原因だとして、粉ミルクを販売したビンベトドク社(ドイツ・ベイビーサンミルク社のベトナム代理店)を相手取り損害賠償を求めて同市タンビン区人民裁判所に提訴した。
ティエンさんは、双子を育てるため大量のベイビーサンミルク社製粉ミルク「ベイビーサン2」を2000万ドン(約8万円)で購入し今年4月まで使用していたが、この粉ミルクが不良品であることを発見したと主張している。粉ミルクの消費期限は450グラム入り缶が2011年11月16日、900グラム入り缶が2011年1月19日だった。
ティエンさんはビンベトドク社に対し、2人の子供の健康・精神的被害の賠償金として3300万ドン(約13万2000円)、未使用分の粉ミルクの代金返還、公式の謝罪を求めた。これに対しビンベトドク社は、未使用分の代金返還には応じたが健康被害の賠償金支払いは拒否した。そのため、ティエンさんは提訴することに踏み切ったという。
ティエンさん側の弁護士グエン・マイン・フン氏は、子供たちの診療費や医薬品代の領収書はそろっている。法廷では粉ミルクと健康被害の因果関係について争うことになると述べた。
一方ビンベトドク社側の弁護士ホアン・ドク・ギエム氏は「問題の粉ミルクと同じ生産ロットの製品は検査の結果、品質に問題ないことが分かった。会社側は法廷での争いに躊躇はない」と語った。