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ICチップ付き身分証明書(IDカード)の発行のため、指紋採取に訪れた男性が、長すぎる爪のせいで指紋採取できないというトラブルが発生した。この様子はFacebookページに投稿され、大きな反響を呼んでいる。公安職員がなんとか指紋を取ろうとして悪戦苦闘したが、25分経っても指紋採取は出来なかった。
この男性は、北部紅河デルタ地方ナムディン省ザオトゥイ郡ザオイエン村(xa Giao Yen, huyen Giao Thuy)在住ルー・コン・フエンさん(63歳)。ベトナムで最も長い爪を持つ男性として有名で、村では装飾石膏の色付け名人としても知られている。
フエンさんは結婚後から爪を伸ばし始めた。初めのうちは、育児に支障をきたすことから、長くても10cm程度だったが、子供が成長してからは思う存分爪を伸ばせるようになり、長さが20cm以上になったら爪を切ると体調を崩すことが増えた。以降は全く切ることがなくなり、もう40年ほど爪を伸ばし続けている。現在は一番長い爪が86cm、一番短い爪でも20cmある。この爪だと日常生活が難しいので、いつも着替えは妻に手伝ってもらっており、爪が折れる心配があるので、寝るときは妻と別々だという。
今回のトラブルは4月4日、IDカード発行手続きのため、村の人民委員会を訪れたときに発生した。フエンさんは、「順番待ちの末、ようやく番が回ってきて、私の長くて歪曲した爪が折れないようにと、職員が注意深く指紋採取を試みた」と話した。
25分以上もかけたが、結局、指紋を採取することは出来ず、その日はIDカード発行の申し込みに訪れた人たちで行列が出来ていたため、職員の説得もあって、フエンさんはやむを得ず一旦帰宅することにした。
因みに、指紋採取にかかる時間は通常4分程度。当局はフエンさんの指紋採取が困難なことから、当面は同氏の古いIDカードの使用期限を延長し、ICチップ付きIDは後日発行する方針を示した。