ホーチミン市人民裁判所は24日、同市トゥードク区在住のダン・ヒュー・アイン・トゥアン被告(25歳・男)に殺人罪で禁固8年と、被害者家族に対する7500万ドン(約36万4000円)の補償金の支払いを命ずる判決を出した。
この事件は2009年5月14日、ホーチミン市タンフー区ルイバンビック通りでトゥアン被告が運転していたトレーラーがグエン・ティ・ホイさん(女性)を巻き込んで死に至らせたもの。この事故でホイさんは足を巻き込まれたが、意識はあり周囲に助けを求めた。通行人らはホイさんを助け出そうとトゥアン被告に車をバックさせるよう求めたが、同被告はこれを無視して故意に車の前進と後退を繰り返し、ホイさんを合計3回ひいて死亡させた。この直後に同被告は現場から逃走しようとしたが、通行人らに取り押さえられた。
トゥアン被告は法廷で全面的に犯行を認めたものの、事件当時は混乱状態にあり冷静な判断ができなかったと主張した。裁判所はこれを退け、ホイさんが下敷きになっているのを知ったうえで車を動かした行為は厳罰に値すると認定した。ただし、トゥアン被告が深く反省しており、被害者家族に慰謝料の支払いをすでに始めている事情を酌量し、禁固8年の判決を出した。検察側は禁固11~12年を求刑していた。