国内の映画制作本数に比べ外国映画の輸入本数が多過ぎる、と文化の輸入超過を懸念する声が上がっている。27日付ハノイモイ紙(電子版)が報じた。
人口100万人当たりの映画制作本数を比べてみると、マレーシアの1本、韓国の2本に対しベトナムはわずか0.14本に過ぎない。人口8600万人の国で年間の映画制作本数が12本程度というのはあまりに少ない。
ベトナムはかつて毎年20本ほどの映画を制作していた時期があった。この数字とは裏腹に、実はこの10年間、国内映画界を巡る環境は大きく好転している。映画制作会社の数は、かつての国営5社から今では民間を含め40社以上に上る。映画観客動員数も、2008年には2003年の2倍以上にまで増加している。各外国映画輸入配給会社はこれを好機とみて、2009年に106本、2010年に130本と輸入本数を増やしている。
文化スポーツ観光省映画局のレ・ゴック・ミン副局長は国内の映画制作本数低迷の原因として、映画観客の嗜好の多様化に対応できていないこと、国営映画会社の予算が増えていないこと、民間映画会社は旧正月(テト)向けの映画に集中する傾向があることなどを挙げている。