『ディエンビエンフー』『世界の終わりの魔法使い』などの作品のある漫画家、西島大介氏がハノイ市で26日、ベトナムのアニメーターや漫画家を対象にマンガワークショップを行った。国際交流基金ベトナム日本文化交流センターがベトナム国立美術館で開催中の展覧会「新次元マンガ表現の現在」の関連イベントとして行われた。この機会に、西島氏に話を聞いた。31日付ラオドン紙電子版が報じた。
――マンガワークショップに参加されましたが、ベトナムのマンガ事情については以前からご存知でしたか。
お話しをいただいたとき、ワークショップの対象者は子供たちだと思っていました。ベトナムのマンガを読んだことはまだありません。マンガで大切なことが想像の自由であることを伝えることができたらと思います。
――なぜベトナムをご自分のマンガのテーマに選んだのですか。また、題名は『ディエンビエンフー』ですが、中身はベトナム戦争の話です。何か理由があるのですか。
『ディエンビエンフー』を描き始めた時、まだベトナムに来たことがありませんでした。私はベトナム戦争の話を通して、現代の日本の問題を描きたいと思っています。
ベトナム戦争というと日本人は普通、サイゴンを思い浮かべます。ディエンビエンフーという地名には神秘的な響きがあります。ディエンビエンフーは(インドシナ戦争末期の)フランス軍との激戦地で、話の内容とはずれがありますが、このずれもまた面白いと思います。
――『ディエンビエンフー』はどんなお話ですか。
日系米国人の従軍カメラマンの青年がベトナムに渡ります。戦争については深く考えたことはなかったが、ベトナム人少女に命を助けられて彼女の姿を追い求めるようになる、というお話です。