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- 「ユーロチャム白書」25年版を発表
- 経済関係を強化するための政策を提言
- 手続き簡素化、インフラ投資や優遇措置
在ベトナムヨーロッパ商工会議所(ユーロチャム=EuroCham)はこのほど、「ユーロチャム白書」の2025年版を発表した。白書の発表は今回で16回目となる。
ユーロチャムはこの中で、ベトナムが引き続きグローバルサプライチェーンにおける重要な拠点であることを強調し、欧州連合(EU)とベトナムの経済関係を強化するための政策を提言した。
ベトナムEU自由貿易協定(EVFTA)の発効から5年が経過し、双方の貿易関係において多くの好結果が得られている。2024年の双方間の貿易額は前年比+16.0%増の680億USD(約9兆7000億円)へと順調に増加した。2025年1~2月期では、EUが中国を上回り、ベトナムの第2位の輸出先となり、輸出額は前年同期比+13.3%増の88億USD(約1兆2600億円)となった。
投資面では、2024年9月時点でEUは対ベトナムの海外投資家として6位に立ち、投資案件数は2625件、投資認可額は300億USD(約4兆3000億円)で、海外直接投資(FDI)認可額全体の6.1%を占めた。
ベトナムEU投資保護協定(EVIPA)も現在批准手続き中で、EU加盟27か国中18か国が既に批准を完了している。批准が完了すれば、透明な法的枠組みの整備と欧州投資家の保護強化が期待される。
ユーロチャムはボトルネックとなる課題として、複雑な通関手続き、労働許可証の発行遅延、医薬品の承認手続きの滞りなどを指摘した。これに対し、手続きの簡素化、インフラ投資や優遇措置の導入によるベトナムの競争力強化を提案した。
なお、ユーロチャムがベトナムに進出している欧州企業を対象に実施した2025年第1四半期(1~3月期)業況判断指数(BCI)の調査結果によると、同期のBCIは64.6ポイントとなり、前期比では+2.8ポイント上昇し、直近2年余りの最高を更新した。