ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

「考えたことを試せるのが面白い」齊藤彩さん/オフショア開発

2016/03/21 08:10 JST配信

ベトナムで働いている人たちは、なぜベトナムにやってきたの? ベトナムで働くってどんな感じ?

ベトナムで人材紹介を行う JellyfishHR がお届けするこのコラムでは、現地で実際に生活をしている日本人に、ベトナムでの生活、ベトナム人との仕事、日本との違いなどをインタビューしていきます。

みなさんのタイムリーな悩みを解決するヒントになるかもしれません。

第3回目のインタビューは、ベトナムに進出している日系企業の経営企画室に若くして配属された、 斉藤 彩(さいとう あや)さん です。国立大学医学部を卒業し、看護師免許も取得。誰もが羨むようなエリートコースを歩んできた彼女が、なぜベトナムに来たのか。23歳の女性とは思えない落ち着いた雰囲気で、最後まで取材に応じていただきました。

「就活時期にやりたいことが見つからなかった」がスタート

− それでは早速、自己紹介をお願いします。

斉藤: 斉藤彩、現在23歳です。愛知県出身で、大学は国立大学医学部に入学しました。卒業後、ネオキャリアグループで働くことになり、今はベトナム(ホーチミン市)にあるオフショア開発拠点のプロジェクトマネージャーとして、ベトナム人スタッフ数名と共に働いています!

− 本当に誰もが羨むエリートコースですよね。 さまざまな選択肢の中からなぜ、ベトナムを選ばれたのですか?

斉藤: 正直に言うと、 就職活動している時にやりたいことが見つからなかったんです。 就活をしながら勉強は続け、看護師の免許を取得したんですが・・・。

− それはすごい! 看護師の免許って、クラスの2~3名しか取れないって聞いたことがありますし。本業として目指しても合格できない人がいるのに就活しながら受かってしまう。脱帽です。

斉藤: ありがとうございます(笑)。でも、当時は看護師でも登り詰められるのは副院長までだと思っていました。何を基準にそう考えたのかはわかりませんが、今ではまったく後悔していないんです。

「若いうちから自由に働ける環境が良かった」

− そう思える人って珍しいんじゃないかと思います。働き方が多様化してきた今でも、安定した職業に就くことを目指して就職活動をされる人が多いですよね。でも齊藤さんは まったく違う視点で仕事を見ているように感じます。

斉藤: 私も最初の方は、大手商社や大手物流業界など、一般的にウケが良さそうな会社を狙っていたんです。逆にベンチャー企業に対しての知識やイメージは全くありませんでした。そうこうしているうちに内定をいくつか貰えたので、いくつかベンチャー企業を志望することにしたんです。

失礼な話ですが、 早い時期に選考が始まるベンチャー企業を滑り止めとして 当時は受けていたと思います。

− 実際に就職活動にも受験と同じように滑り止めが存在すると聞いたことがありますが、実際に意識的に実行していると言った人は齊藤さんが初めてです。

斉藤: でも、最初はそんな失礼な考え方で始めたベンチャー企業との面接も、徐々に変化があったんですよ。

私が就職活動で感じたのは、自分の力をしっかり見極めた上で採用してくれる会社は少ないということでした。逆にベンチャー企業はちゃんと 「わたし」を見てくれている ような気がしたんですよね。 ひとりひとりにしっかりと向き合っている と思ったんです。

− 確かにその通りなのかもしれないですね。

 それで最終的に選択をされたのが現在のネオキャリアさんだと思うんですが、 ベンチャー企業が数多くある中で、「この会社っ!」て決めた大きな理由があったりするんですか?

斉藤: 体育会系の年功序列型があんまり好きじゃないですよ。なので、面接中に「この会社は若手に好きなことをやらせてくれるのかな」って考えながら受けていましたし、ネオキャリアと面接したときは 「就活ウケの良い受け答え」 に対して、面接官が 「もっと欲張ればいいのに。もったいないよ」 と言った瞬間に決めました。

− まさに直感ですね。

右も左も分からない、ふらっと来たベトナム

では、実際に今のお仕事はどうですか?

斉藤: 現在は、オフショア開発チームのマネジメント、開発にも携わっています。

もともと営業職 だったんですが、自社開発に力を入れ始めていたので、私の希望によりベトナムではエンジニアとして働くことになったんです。普通に考えたらおかしいですよね。でも本当にエンジニアとしての知識もスタッフのマネジメント知識も無かったんですよ。

現場は荒れなかったですか?

斉藤: もちろん、 最初は荒れましたよ(笑)。

現地のスタッフからすれば「訳の分からない日本人が来た」と思われたんでしょうね。皆プライベートではとても優しいのですが、最初は全く言うことを聞いてもらえませんでした。

自分より年下でしかも女の子 なので、流石にプライドが許せませんよね。挙げ句の果てに私が胃潰瘍になりまして。

− 僕も同じ経験があるので、胃潰瘍になるの分かります。 齊藤さんはどうやって乗り越えられたんですか?

斉藤: まず、 仲良くなること を意識しました。ベトナム語を使って話しかけたり、ランチに一緒に行ったりしていました。小さい取り組みですが継続しました。そしたら意外と喜んでくれるんですよね。

そして何よりも、 相手の文化や考え方を理解することが大事 だと気が付いたんです。

例えば、私の指示に反した仕事をした時も、最初に注意するのではなく、なぜそうしたのか聞きます。そうすると、自分が予想もしていなかったところに原因があったりするんです。その原因が「日本ではこうだったから」という 自分の固定概念 によるものだったことも。

− 日本人が日本語を使われると嬉しいのと同じで、ベトナム人もベトナム語を使うと喜んでくれますよね! まだまだ覚えきれない単語ばかりですが、覚えようとしているとそれが相手に伝わるんですよね。色々工夫をされていらっしゃるので、また教えて頂きたいです。

人に指示をされるのが苦手

では、齊藤さんの将来の夢を教えてください!

斉藤: 何にもないんです。 でも、 常に面白いことには取り組んで行きたい です。逆算をしても意味が無いと思っています。

「面白いことをしたい!」ってよく聞く言葉だと思うんですよね。齊藤さんの面白いの定義とかってあるんですか?

斉藤: 私の面白いと思う定義ですが、 「自分が考えたことを試せること」 ですね。

例えば、ベトナムへ来た当初はマネジメントを知らなかったんですよね。どんなマネジメントがいいのか分からないから試行錯誤しなくちゃいけない。いろいろ試してみて、次のプランを考えてPDCA(Plan・Do・Check・Action)をひたすら繰り返してるんです。 これが凄く楽しいんですよ! 誰にも干渉されず、自分で答えを探していく感じです!

− 人に指示されるのが本当に嫌なんですね(笑) 。だからこそ「やらなければならないこと」を自分で見つけることができるんですね。

ベトナムへ来てちょうど半年が経ったと思いますが、 ベトナムでのゴールもしくは自分に課しているミッションはありますか?

斉藤: いつ日本へ帰ることになるのかは現時点では分からないんですよ。なので、今の現場を日本人がいなくても回せるレベルまではもっていきたいですよね!

− 齊藤さんの腕の見せ所ですね! 応援しています!

 ちょっと逸れた質問かもしれないですが、 尊敬する人っていますか? 僕はちなみに吉田松陰なんですけど・・・(笑)

斉藤: アメリカの起業家であり、スペースX社の共同設立者でCEOの イーロン・マスク が好きです!

不可能を可能にしようとしている姿勢が凄く魅力的です。ロケットを打ち上げたいのなら普通の人ならNASAに入りますよね。でも自分でやってしまうところが凄いなーって尊敬しています!

− 女性でイーロン・マスクが好きって人ってあまり出会ったことないです。僕もかなり好きで、彼について語らせたら朝まで話せる自信がありますよ(笑)。

斉藤: そこまではちょっと思ってないです・・・。

− はい・・・。

  

 で、では最後に 読者の皆様へ一言メッセージをお願いします!

斉藤: 人生一度きりなので、 何かアクションをしようとする時は海外を含めて考えた方が断然効率が良い と思うんですよね。選択肢も一気に広がります。

また海外で働くと 自分の身の丈に合わない仕事 をさせてもらえることもあります。それがもの凄く私は魅力に感じていますし、海外で働く大きなメリットだと思います。なので、 ぜひ 海外で働くという選択肢 をもってください!

− ありがとうございました!

著者紹介
JellyfishHR Co.,Ltd
2013年8月から日系人材紹介会社としてベトナムに進出。現在「ハノイ」「ハイフォン」「ホーチミン」の3拠点にて、日系、非日系問わず人材紹介サービスを提供しており、常に100件を超える日本人向けのベトナム勤務の求人・仕事を保有している。
◆ホームページURL : https://jellyfishhr.jp
ベトナム求人・転職・就職をお考えの方はこちら
Voice ~ベトナム最前線で働く人の声~
その他の記事はこちら>
© Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
カンボジア国会議事堂新庁舎が落成、ベトナムが寄贈 (22日)

 カンボジア公式訪問を開始したチャン・タイン・マン国会議長は21日、カンボジアの首都プノンペンで、同国のクオン・ソダリー国民議会(下院)議長と会談した。  両議長はこの席で、両議会が緊密に連携して訪...

フエ前国会議長に警告処分、病床のトゥオン元国家主席は処分先送り (22日)

 ベトナム共産党政治局・書記局は20日に開かれた会合で、政治局員・国会共産党連合会書記・国会議長在任中に、汚職防止に関する党規と法律に違反したとして、ブオン・ディン・フエ前国会議長に警告処分を科すこ...

エノテカ、ホーチミン高島屋にワインショップをプレオープン (22日)

 ワインの輸入販売などを手掛けるエノテカ株式会社(東京都港区)は11月25日、ホーチミン市1区のホーチミン高島屋2階に「ワインショップ・エノテカ ホーチミン高島屋店」をプレオープンする。  ラウンジエリア...

ハノイの街角、アヒルを連れて散歩する名物男性 (17日)

 午後3時、ハノイ市ハイバーチュン区ファムディンホー街区在住のグエン・ゴック・クアンさん(男性・61歳)が、手に持った棒で地面を叩くと、生後4か月の真っ白なアヒルは「散歩の時間だ」と理解し、クアンさんの...

住商アグロ、地場農業資材販売会社に出資 (22日)

 住商アグロインターナショナル株式会社(住商アグロ、東京都千代田区)は、ベトナムの農業資材販売会社であるホップチー・インベストメント・コーポレーション(Hop Tri Investment Corporation、ホーチミン市)に...

働きがいのある在ベトナム企業ベスト100、ユニリーバが1位に (22日)

 ベトナム最大の企業管理職向けソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を運営するアンファベ(Anphabe)は19日、「働きがいのある在ベトナム企

カマウ省:戦勝遺跡地区を建設、ベトナム戦争の戦闘で勝利の地 (22日)

 南部メコンデルタ地方カマウ省人民委員会は19日、ダムゾイ郡でダムゾイ・カイヌオック・チャーラー(Dam Doi - Cai Nuoc - Cha La)戦勝遺跡地区の起工式を開催した。同省共産党委員会のグエン・ティエン・ハイ書...

ホーチミン:12月運行開始のメトロ1号線、運賃決定 (22日)

 ホーチミン市人民委員会は21日、12月の商業運転開始を予定している都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイティエン間)の運賃を規定する決定を発表した。  決定によると、運賃は乗車区間の距離によって異...

マレーシア、ベトナムの9か国目の包括的・戦略的パートナー国に (22日)

 21日から23日までの日程でマレーシアを公式訪問中のトー・ラム書記長は21日、最高儀礼に則り盛大に執り行われた歓迎式典の後、アンワル・イブラヒム首相との首脳会談に臨んだ。  両首脳はこの席で、両国間...

チン首相、ドミニカ共和国大統領と会談 FTA交渉を提案 (22日)

 ドミニカ共和国を公式訪問中のファム・ミン・チン首相は現地時間20日、ルイス・ロドルフォ・アビナデル・コロナ大統領と会談した。  両首脳は、2005年7月7日の外交関係樹立以来、初のハイレベル訪問となる...

ホーチミン:ドンコイ通りの小売スペース賃貸料、世界14番目の高さ (22日)

 米不動産サービス大手クッシュマン&ウェイクフィールド(Cushman & Wakefield=C&W)がこのほど発表した、世界のブランドショップ街の小売スペース賃貸料動向に関する年次調査レポート「世界のメインストリート(...

自宅でヒキガエル肉を調理、児童1人死亡・1人重篤 (22日)

 南中部高原地方総合病院は19日、自宅で調理したヒキガエルの肉と卵を食べた児童2人が中毒を起こしたと発表した。  19日昼、南中部高原地方ダクラク省クロンパック郡に住むY君(11歳)は、自分でヒキガエルの...

教員の4割超が給与と保護者のプレッシャーに悩み (22日)

 ベトナム国家大学ホーチミン市校(ホーチミン市国家大学=VNU-HCM)傘下の政策開発研究所が先般発表した調査結果によると、教員の25.4%が学校内で、8.2%が学校外で生徒向けに補習授業を行っている。  この...

エクセル・クリエイツ、ハノイに駐在員事務所を開設 (22日)

 医療機関向けパッケージソフトウェアの製造・販売を手掛ける株式会社エクセル・クリエイツ(大阪府大阪市)は11月、ハノイ市に駐在員事務所を開設する。  これを機に、ベトナムをはじめとする東南アジア諸国...

ハノイ:国際建築展示会「ベトビルド」、11月27日から開催 (22日)

 ハノイ市ナムトゥーリエム区の国立展示建設センター(1 Do Duc Duc, quan Nam Tu Liem, TP. Ha Noi)で、11月27日(水)から12月1日(日)まで、国際建築展示会「ベトビルド・ハノイ2024(第4回)(VIETBUILD Ha Noi 202...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2024 All Rights Reserved