ベトナムで働いている人たちは、なぜベトナムにやってきたの? ベトナムで働くってどんな感じ?
ベトナムで人材紹介を行う JellyfishHR がお届けするこのコラムでは、現地で実際に生活をしている日本人に、ベトナムでの生活、ベトナム人との仕事、日本との違いなどをインタビューしていきます。
みなさんのタイムリーな悩みを解決するヒントになるかもしれません。
第3回目のインタビューは、ベトナムに進出している日系企業の経営企画室に若くして配属された、 斉藤 彩(さいとう あや)さん です。国立大学医学部を卒業し、看護師免許も取得。誰もが羨むようなエリートコースを歩んできた彼女が、なぜベトナムに来たのか。23歳の女性とは思えない落ち着いた雰囲気で、最後まで取材に応じていただきました。
「就活時期にやりたいことが見つからなかった」がスタート
− それでは早速、自己紹介をお願いします。
斉藤: 斉藤彩、現在23歳です。愛知県出身で、大学は国立大学医学部に入学しました。卒業後、ネオキャリアグループで働くことになり、今はベトナム(ホーチミン市)にあるオフショア開発拠点のプロジェクトマネージャーとして、ベトナム人スタッフ数名と共に働いています!
− 本当に誰もが羨むエリートコースですよね。 さまざまな選択肢の中からなぜ、ベトナムを選ばれたのですか?
斉藤: 正直に言うと、 就職活動している時にやりたいことが見つからなかったんです。 就活をしながら勉強は続け、看護師の免許を取得したんですが・・・。
− それはすごい! 看護師の免許って、クラスの2~3名しか取れないって聞いたことがありますし。本業として目指しても合格できない人がいるのに就活しながら受かってしまう。脱帽です。
斉藤: ありがとうございます(笑)。でも、当時は看護師でも登り詰められるのは副院長までだと思っていました。何を基準にそう考えたのかはわかりませんが、今ではまったく後悔していないんです。
「若いうちから自由に働ける環境が良かった」
− そう思える人って珍しいんじゃないかと思います。働き方が多様化してきた今でも、安定した職業に就くことを目指して就職活動をされる人が多いですよね。でも齊藤さんは まったく違う視点で仕事を見ているように感じます。
斉藤: 私も最初の方は、大手商社や大手物流業界など、一般的にウケが良さそうな会社を狙っていたんです。逆にベンチャー企業に対しての知識やイメージは全くありませんでした。そうこうしているうちに内定をいくつか貰えたので、いくつかベンチャー企業を志望することにしたんです。
失礼な話ですが、 早い時期に選考が始まるベンチャー企業を滑り止めとして 当時は受けていたと思います。
− 実際に就職活動にも受験と同じように滑り止めが存在すると聞いたことがありますが、実際に意識的に実行していると言った人は齊藤さんが初めてです。
斉藤: でも、最初はそんな失礼な考え方で始めたベンチャー企業との面接も、徐々に変化があったんですよ。
私が就職活動で感じたのは、自分の力をしっかり見極めた上で採用してくれる会社は少ないということでした。逆にベンチャー企業はちゃんと 「わたし」を見てくれている ような気がしたんですよね。 ひとりひとりにしっかりと向き合っている と思ったんです。
− 確かにその通りなのかもしれないですね。
それで最終的に選択をされたのが現在のネオキャリアさんだと思うんですが、 ベンチャー企業が数多くある中で、「この会社っ!」て決めた大きな理由があったりするんですか?
斉藤: 体育会系の年功序列型があんまり好きじゃないですよ。なので、面接中に「この会社は若手に好きなことをやらせてくれるのかな」って考えながら受けていましたし、ネオキャリアと面接したときは 「就活ウケの良い受け答え」 に対して、面接官が 「もっと欲張ればいいのに。もったいないよ」 と言った瞬間に決めました。
− まさに直感ですね。
右も左も分からない、ふらっと来たベトナム
− では、実際に今のお仕事はどうですか?
斉藤: 現在は、オフショア開発チームのマネジメント、開発にも携わっています。
もともと営業職 だったんですが、自社開発に力を入れ始めていたので、私の希望によりベトナムではエンジニアとして働くことになったんです。普通に考えたらおかしいですよね。でも本当にエンジニアとしての知識もスタッフのマネジメント知識も無かったんですよ。
− 現場は荒れなかったですか?
斉藤: もちろん、 最初は荒れましたよ(笑)。
現地のスタッフからすれば「訳の分からない日本人が来た」と思われたんでしょうね。皆プライベートではとても優しいのですが、最初は全く言うことを聞いてもらえませんでした。
自分より年下でしかも女の子 なので、流石にプライドが許せませんよね。挙げ句の果てに私が胃潰瘍になりまして。
− 僕も同じ経験があるので、胃潰瘍になるの分かります。 齊藤さんはどうやって乗り越えられたんですか?
斉藤: まず、 仲良くなること を意識しました。ベトナム語を使って話しかけたり、ランチに一緒に行ったりしていました。小さい取り組みですが継続しました。そしたら意外と喜んでくれるんですよね。
そして何よりも、 相手の文化や考え方を理解することが大事 だと気が付いたんです。
例えば、私の指示に反した仕事をした時も、最初に注意するのではなく、なぜそうしたのか聞きます。そうすると、自分が予想もしていなかったところに原因があったりするんです。その原因が「日本ではこうだったから」という 自分の固定概念 によるものだったことも。
− 日本人が日本語を使われると嬉しいのと同じで、ベトナム人もベトナム語を使うと喜んでくれますよね! まだまだ覚えきれない単語ばかりですが、覚えようとしているとそれが相手に伝わるんですよね。色々工夫をされていらっしゃるので、また教えて頂きたいです。
人に指示をされるのが苦手
− では、齊藤さんの将来の夢を教えてください!
斉藤: 何にもないんです。 でも、 常に面白いことには取り組んで行きたい です。逆算をしても意味が無いと思っています。
− 「面白いことをしたい!」ってよく聞く言葉だと思うんですよね。齊藤さんの面白いの定義とかってあるんですか?
斉藤: 私の面白いと思う定義ですが、 「自分が考えたことを試せること」 ですね。
例えば、ベトナムへ来た当初はマネジメントを知らなかったんですよね。どんなマネジメントがいいのか分からないから試行錯誤しなくちゃいけない。いろいろ試してみて、次のプランを考えてPDCA(Plan・Do・Check・Action)をひたすら繰り返してるんです。 これが凄く楽しいんですよ! 誰にも干渉されず、自分で答えを探していく感じです!
− 人に指示されるのが本当に嫌なんですね(笑) 。だからこそ「やらなければならないこと」を自分で見つけることができるんですね。
ベトナムへ来てちょうど半年が経ったと思いますが、 ベトナムでのゴールもしくは自分に課しているミッションはありますか?
斉藤: いつ日本へ帰ることになるのかは現時点では分からないんですよ。なので、今の現場を日本人がいなくても回せるレベルまではもっていきたいですよね!
− 齊藤さんの腕の見せ所ですね! 応援しています!
ちょっと逸れた質問かもしれないですが、 尊敬する人っていますか? 僕はちなみに吉田松陰なんですけど・・・(笑)
斉藤: アメリカの起業家であり、スペースX社の共同設立者でCEOの イーロン・マスク が好きです!
不可能を可能にしようとしている姿勢が凄く魅力的です。ロケットを打ち上げたいのなら普通の人ならNASAに入りますよね。でも自分でやってしまうところが凄いなーって尊敬しています!
− 女性でイーロン・マスクが好きって人ってあまり出会ったことないです。僕もかなり好きで、彼について語らせたら朝まで話せる自信がありますよ(笑)。
斉藤: そこまではちょっと思ってないです・・・。
− はい・・・。
で、では最後に 読者の皆様へ一言メッセージをお願いします!
斉藤: 人生一度きりなので、 何かアクションをしようとする時は海外を含めて考えた方が断然効率が良い と思うんですよね。選択肢も一気に広がります。
また海外で働くと 自分の身の丈に合わない仕事 をさせてもらえることもあります。それがもの凄く私は魅力に感じていますし、海外で働く大きなメリットだと思います。なので、 ぜひ 海外で働くという選択肢 をもってください!
− ありがとうございました!