フィリピンで開催中の第30回東南アジア競技大会(SEA Games 30)は12月8日に女子サッカーの決勝が行われ、前回女王のベトナム代表が宿敵タイ代表を延長戦の末に1-0で下した。ベトナムはこれで大会2連覇を達成し、最多6度目の金メダルを獲得した。
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互いをよく知る宿命のライバルによる頂上決戦となったこの試合。ベトナムは4-5-1のシステムを採用し、序盤から両サイドを起点とし積極的に攻撃を仕掛けた。開始早々の6分には、前に出ていた相手GKのスキをついてMFグエン・ティ・バンがシュート。しかし惜しくもバーに嫌われる。序盤はベトナムがボールを繋ぎながらチャンスを作り、タイを相手自陣に閉じ込める。タイは27分、男子タイ代表FWティーラシン・デーンダー(元広島)の妹であるFWタニーカーン・デーンダーを投入。174cmの長身ストライカーで、今大会グループリーグ初戦でベトナムから試合終了間際に同点ゴールを奪っており、ベトナムにとっては非常に危険な選手。ここからタイが勢いを増して、試合は一進一退の攻防となるが、どちらもゴールを奪うことは出来ず、前半をスコアレスで折り返す。
後半に入ると、ベトナムは立ち上がりに相手守備陣のスキをついて、MFグエン・ティ・バンが相手GKと一対一の場面を迎える。しかし、ここでもシュートが枠を捉えきれない。この日、積極的に動いたタイベンチはすぐさま選手交代のカードを切って攻撃的な選手を投入。51分には、タニーカーンがヘディングシュートでベトナムゴールを揺らすが、これはオフサイドの判定。この後も互いに一歩も譲らない双方死力を尽くした攻防が続き、試合は90分終えて0-0のまま終了し、延長戦に突入する。
体力的に限界が近づく中、延長開始早々に訪れたチャンスをベトナムがものにする。左サイドで得たFKをMFグエン・ティ・トゥエット・ズンがゴール前に放り込み、ファーサイドに飛び込んだ途中出場のFWファム・ハイ・イエンが頭で決めてベトナムが先制。その後は、タイの猛攻をチーム一丸となってしのぎ、ベトナムが1-0で逃げ切った。
なお、同日行われた3位決定戦では、ミャンマー代表が開催国フィリピン代表に2-1で勝利して銅メダルを獲得している。
試合後、ベトナム文化スポーツ観光省とベトナムオリンピック委員会は、2大会連続、最多6度目の金メダルを獲得したベトナム女子代表に10億VND(約480万円)の報奨金を贈ることを決定。激戦を終えたベトナム女子代表は帰国して7日~10日間のつかの間の休息をとった後、東京オリンピック3次予選に向けた準備を開始する。最終予選は韓国で来年2月に開催される。
記事提供:ベトナムフットボールダイジェスト+